北京
PM2.577
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キーワード①
【东方经济论坛】(dōngfāng jīngjì lùntán)[固]東方経済フォーラム.
ロシア主導のフォーラムなので、プーチン大統領が毎年もちろん参加しています。日本の安倍首相は2016年と2017年に出席し、今年も出席しています。中国はこれまで、ハイレベル代表団を派遣していましたが、今年は習近平国家主席が自らウラジオストクへ赴きました。
今年のタイトルは「極東:拡大する可能性」で、その中で「投資家の支援制度:次の歩み」、「極東の産業優先分野」、「グローバルな極東:国際協力プロジェクト」、「人々の生活条件の創出」という四つのテーマで議論を繰り広げられています。また、首脳間の会談も注目の的です。
中国では、中国とロシアの関係の新たな進展のほかに、極東地域のビジネスチャンスも注目されています。特に中国の東北地方の振興にはよいチャンスだと見なされています。
色々な意味で、国同士のおつきあいというのは難しいものです。今回のまさにトップ勢揃いのフォーラムを通じて、関係改善への対話が進むことが期待されます。
キーワード②
【科学素养】(kēxué sùyǎng)[名]科学リテラシー.
「科学素质(kēxué sùzhì)」という言い方もあり、日本語的には科学リテラシーのことです。これには、サイエンス・ライティング、数学、情報工学などに対するリテラシーが含まれています。
このほど、中国科学協会科学技術普及部の部長が、「第10次中国公民科学素质调查(第10回中国公民科学リテラシー調査)」の結果として、科学リテラシーを持っている国民が全体の8.47%しか至らないことを明らかにしました。一見少ないように見えますが、2005年の1%強と比べると、だいぶ進歩した結果ということがお分かり頂けると思います。
科学リテラシーは人間が共通に持っていなければならないものだ、ということで、今回の調査では、①調査対象の科学に関する基礎知識、②重要な科学問題に対する観点、③科学的な知識や方法を通じて決定を下し、問題を解決する能力について調査が行われました。
中国には、「学好数理化,走遍天下都不怕(数学、物理、化学を身につければ、どこへ行っても困らない)」という言い方があり、理系は昔から文系より重視されていることから、今回の調査結果は、驚きに値するものです。恐らく問題の根源は授業のやり方にあるのではないかと推測されます。教師から一方的に講義をされているだけでは、生徒が自ら考えたり、考えたことを確かめたりするという思考力や行動力、今流行りの地頭力が育たないので、テストの成績がよくても、問題解決には役立てることができないという悲しい結果が出ているわけです。
科学リテラシーを持たないことの弊害というのはいろいろな面に現れます。例えば、「伪科学」(もっともらしいデマ)が広まるケースが極めて多く見られます。これは例えば、水洗トイレは流した瞬間に細菌が6メートル吹き上がる、というデマを何百万人が信じていたりとか、病気になっても民間の「偏方」(隠れた特効薬)というようなものを信じ、病院の治療を受けない、というのもそれに当たるでしょう。
よく考えてみると、これは中国だけの話ではなく、日本でも無茶苦茶なデマがはびこっていますし、特に災害時にはたくさんのデマが飛び交います。一度日本でもこういう調査をすると面白い結果が出るかもしれません。