北京
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9月10日は中国では教師の日です。中国各地の人々が毎年この日に様々な行事を行い、先生に感謝の気持ちを表します。先生は「人類の魂のエンジニア(人類霊魂的工程師)」と呼ばれています。先生が夢を子供たちの手に渡すことで、幼い心は夢を持って大きく羽ばたき、生命という歌声が高らかに響き渡り始めるようになります。今回の中国メロディーは、ある農村部の教師・支月英の物語と先生を称える歌をご紹介しましょう。
恋のため山奥の小学校へ
江西省宜春市奉新県澡下鎮白洋村の小学校に勤める支月英は、農村部で働く偉大な教師たちの一人です。1980年、19歳の支月英は恋人・蔡江寧と一緒になるために親の反対を顧みず、故郷を離れ、蔡江寧の故郷・奉新県山間部の小学校で教鞭を執ることを決め、農村部の教師生活が始まりました。
しかし小学校は交通が不便な山間部に位置し、生活環境は非常に厳しく、教科書やチョークでさえも先生たちが5キロ以上もの道を歩いて外から運ばなければならないほどでした。
厳しい生活環境でしたが、花が咲くころになると、子供たちが彼女に美しい花束を作り、山の果物が熟する季節になると、子供たちはとても甘くておいしい果物を彼女に送り、正月や節句になると、村人たちは食べるのが惜しいほどの立派な食べ物を彼女に送りました。子供たちと村人たちの愛はいつも彼女を感動させました。支月英は暴風雨や豪雪の日になると、必ず子供たちを家まで付き添って送り、貧しい家庭の子供がいれば、学費はいつも彼女が立て替えていました。
彼女は「私は生い茂る大きな木で、生徒たちはよくさえずる小鳥のように、私の周りを飛び回ったり、唄ったりしている。子供たちが喜んでくれていることが、私の幸せだと思う」と話しています。
大きな愛をもって山奥の教壇に立つ
1982年に恋人・蔡江寧と結婚したばかりの支月英は、家から50キロ近くも離れた林業分場子弟学校に派遣されました。彼女は夫を説得して、単身で生活がより厳しい林業分場子弟学校に赴任することになりました。夜になると、林の奥から鳥や獣の鳴き声をよく耳にするような環境でした。支月英はそのような中、一人で古い教室の中で授業の準備をしたり、宿題を添削したりしていましたが、どことない怖さを感じていました。
それを知った村の女性たちは、この若い女性教師を引き留めるため、毎晩、交代で布団を持って学校で彼女に付き添いました。生徒たちも、いつも自分の家で作った自慢の料理を持って彼女に味わってもらいました。週末になって彼女が家に帰れない時には、いつも村の人々が招き、家で温かくもてなしました。村の人々の真心は支月英の心を打ち、彼女はこの貧しい農村部の小学校に根を下ろして自分の教育の夢を実現しようと決心しました。
38年の教師人生で最も幸福な時
2003年、支月英は過労で入院してしまいましたが、退院するとすぐに彼女は学校に戻りました。当時、この地域が暴風雨に見舞われ、彼女は病を押して子供たちを家まで送っている途中、ついうっかりと谷あいの底に落ちてしまいました。子供たちはみんな驚いて呼びかけ、先生の身を案じました。支月英は手足の傷の痛みを顧みず、子供たちを慰めながら、谷あいから登ってきて子供たちを順番に家まで送りました。
38年間に渡って支月英が教育に身を捧げたことは、地元では美しく感動的な話として広く伝えられています。生徒たちが卒業した数年後、十数年後に再び故郷に戻る時は、必ず彼女に会いに行きます。支月英は「教え子たちが再会の嬉しさのあまり私を抱きしめる時こそが私の最も幸せな時だ」と感慨深く語っています。
番組の中でお送りした曲
1曲目 好大一棵樹(大きな木)
北京天使合唱団が唄ったこの歌は日本の歌「大空と大地の中で」を基にアレンジした中国語バージョンの歌で、先生が無欲で奉仕する偉大な精神を称えました。
歌詞:
大きな木よ 激しい風に吹かれても
緑の葉っぱの下には多くの物語が残されている
楽しいことも苦しいこともある
あなたは木陰を大地に捧げる
そこには愛のメロディーが溢れている
2曲目 每当我轻轻走过老师窗前(先生の窓の外を通る時)
この歌は中国では誰でも知っている名曲で、先生への感謝の気持ちを表しました。
歌詞:
静かな夜空に星が輝く
先生の部屋は夜になっても明るい
私はあなたの窓の外をそっと通る
明るい灯りが私の心を照らす
ああ あなたのことを思い出す
親愛なる先生
一筋の暖かなものが胸に込み上げてくる
3曲目 没有鲜花的舞台(花がない舞台)
歌詞:
拍手がないモノローグ
あのチョークを握る手は
すべてのものに色彩の花を咲かせる
あなたの眼差しは霞が立ちこめる空を照らし
あなたの言葉は私の心の中に刻み込まれる
私の過去はあなたの深い愛
私の未来はあなたが与えてくれる100点のもの
あなたの愛が咲き誇る 花がない舞台で