北京
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1978年に発足した中国の改革開放。それから40年の間に、中国映画には体制面から制作面まで、様々な変革が起こってきました。この40年の歳月は、中国映画の発展史ともいえるでしょう。その歴史の中で、変革の証として時代の変遷や幾多の盛衰を記してきたのが、「映画ポスター」です。ここで、その色あせることない異彩の数々をご紹介しましょう。
2003年に発効したCEPA(大陸・香港経済連携緊密化協定)により、香港と大陸の映画共同制作が本格化。2004年1月1日からは、それまで存在していた香港映画への上映本数制限が実質上取り消されることになりました。これにより合作が増え、映画制作のクオリティも大いに向上しました。
馮小剛(フォン・シャオガン)の話題作『手機』が2003年に中国で封切られました。この映画が発端となった、馮小剛と人気パーソナリティ・崔永元との間のいざこざは、10年以上経った今でも続いています。この古い揉め事をぶり返すきっかけとなったのが、来年公開予定のこの『手機』の続編。無事上映にこぎつけられるのか、注目されるところです。
周星馳(チャウ・シンチー)監督の痛快アクション『カンフー・ハッスル(原題:功夫)』(2004)が、当時低迷していた映画市場に大きな刺激を与えました。中国や米国を含む世界各国での興行収入は計1億ドルを超え、当時のシンチーの自己ベストを達成。同時に、金像奨や金馬奨などの賞レースでも好成績を収めました。
真田広之も出演した陳凱歌(チェン・カイコー)監督の『PROMISE 無極』。本作は2005年に公開され、1.8億元という高い興行成績を収めながらも、怒涛のような酷評を浴びたことがまだ記憶に新しいかもしれません。人気監督に国際派役者、古代ファンタジーという人気題材に高額な制作費という要素が揃っただけあって、ファンが泣いて喜ぶ待望の超大作とされていましたが、公開後の評判はなかなか厳しいものでした。昨年公開されたチェン監督の『空海-KU-KAI-美しき王妃の謎(原題:妖猫伝)』は同じく古代ファンタジー作品でしたが、かつての失敗のイメージは払拭できたのでしょうか!
カメラマン出身の顧長衛(グー・チャンウェイ)の初監督作品『孔雀 我が家の風景』が第55回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞。孔雀が羽を広げることと、人間の生きる意味との関連性とは何か。深く考えさせられる社会派の名作です。
2006年も張芸謀(チャン・ イーモウ)監督作品が世間の話題をさらった一年でした。その作品が、中国の舞台劇『雷雨』が原案の時代アクション『王妃の紋章(原題:満城尽帯黄金甲)』。今作では、張芸謀と鞏俐(コン・リー)が『上海ルージュ』(1995)以来11年ぶりに再タッグを結成したことでも大きな話題となりました。
賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督の『長江哀歌(原題:三峡好人)』(2006)がベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞。中国第6世代監督の代表人物とされ、独特な文芸作品の路線を歩み続けたジャ監督が、強い中国色を持った作品を世界に紹介することに成功しました。
第57回ベルリン国際映画祭のグランプリ=金熊賞に輝いたのは王全安(ワン・チュアンアン)監督の『トゥヤーの結婚(原題:図雅的婚事)』(2007)、蒙古族の女性の結婚や人生を描いた郷愁たっぷりの作品で、国際的に大きな注目を集めました。(ミン・イヒョウ、謙)