北京
PM2.577
23/19
8月12日は、中日平和友好条約締結40周年の記念日です。これを前に10日、日本の人間国宝である狂言師の野村万作さんと、その息子で2020年東京オリンピック・パラリンピックの開閉会式の総合統括に先月就任したばかりの野村萬斎さんの狂言公演が、北京の天橋芸術センターで開かれました。
同公演は、在中国日本国大使館の主催によるもので、日本の代表的な舞台芸術である狂言を通じて、中日両国の相互理解と友好交流をさらに深めることを目的としています。
1つ目の演目「棒縛」
公演の前には、狂言の魅力を知ってもらうため、萬斎さん自らが解説する場が設けられました。萬斎さんが舞台に登場すると、満員の客席からは大きな歓声が沸き起こりました。
2つ目の演目「川上」
公演では「棒縛」(ぼうしばり)、「川上」(かわかみ)、「茸」(くさびら)の3つの演目が上演され、特に87歳とは思えない万作さんの素晴らしいパフォーマンスに、観客たちからは長い拍手が送られました。
3つ目の演目「茸」
ステージを終えた萬斎さんは「両国の歩み寄りの成果として、今日みんなで一緒に笑えたというのがすごく嬉しい。笑いが国境を越え、和の精神と狂言で一つになれた。これからも和の精神を発信することで、世界中が仲良くできるのだという自信が得られた」と述べました。
インタビューを受ける萬斎さん
また、万作さんは「舞台脇に中国語の字幕ディスプレイが設置されたおかげで、日本で日本人が狂言を見るよりも、中国の方々のほうがより分かりやすく狂言を見られた。ちょっと皮肉な状況とも言えるが、私にとって嬉しいこと。中国の観客の反応の大きさにはびっくりした」と語りました。
インタビューを受ける万作さん
公演には日本大使館の横井裕大使夫妻、中国外交部の孔鉉佑副部長、文化旅遊部の張旭副部長が出席したほか、会場は中日両国のメディア関係者と一般客、合わせて約1000人で満席になりました。
関係者の記念撮影
なお、公演翌日の11日には、舞台芸術を専攻する中国の学生などに向けた萬斎さんによる狂言講座が日本大使館内の多目的ホールで開かれるということです。(取材:趙雲莎 写真1,2,3提供:在中国日本国大使館)