北京
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8月7日は二十四節気の立秋で、暦の上では秋になりますが、まだまだ厳しい残暑が続きそうです。今回の中国メロディーは、前回に続きオペラ歌手・雷佳の歌をお送りします。
中国オペラが世界の舞台へ
2010年9月11日夜、ロシア最高のオペラ劇場と言われるサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場に輝かしい明かりが灯り、多くの観客が集まりました。
ムーランの花 ムーランの花
少女のように鮮やかで
少年のようにすっくと伸びる
若手オペラ歌手・雷佳をはじめとする中国人民解放軍総政治部歌舞団の芸術家たちは、200年の歴史を持つ劇場で初めて中国オペラの旋律を歌い上げました。オペラ「ムーランの詩」は、1000年前に古い東方の国の女性英雄・ムーランが父の代わりに従軍し、戦功を立てた物語を語っています。その美しいメロディーや歴史の重みを感じさせる衣装、独創的で工夫のある舞台設計は、華麗で壮大なマリインスキー劇場を輝かせました。特に雷佳が男装して演じるムーランの歌唱力と表現力、秀逸な剣舞に観客たちの目は釘づけになりました。最終幕「平和の賛歌」が終わると、観客たちはみな立ち上がり、熱狂的な拍手はいつまでも劇場のホールに響きました。
才能と努力の「雷一回」
ここ数年、雷佳は世界のオペラの舞台で異彩を放っています。彼女は中国音楽学院で学び、音楽表現の基礎をしっかりと身につけました。自分の学生時代について、彼女は次のように振り返っています。「当時、新しい曲を学ぶ前、まず心をこめて何度も朗読して、聴く人を感動させる。それから、自分の理解で歌を歌って表現すると先生の教えをしっかりと身に付けることができた。もちろん、このレッスンは楽譜の理解力、歌唱力、情感の表現力など、多岐にわたる能力を成長させてくれた」
このような厳しい訓練を受けたからこそ、雷佳の表現力は飛躍的な進歩を遂げるようになります。彼女はスタジオエンジニアや作曲家に「雷一回」と呼ばれていました。彼女が歌を収録する時、ほぼ一回で終えられることから、このあだ名がつきました。
56の民族民謡を歌う
2008年6月13日、北京オリンピックが始まる56日前、文化部は国内外に向けて毎日、代表的な民族の歌を紹介しました。そして、2008年8月8日までにこれらの曲を集めたアルバム「56の中華民族の歌」を作りました。このアルバムにある全56曲を雷佳が歌い、多くの時間をかけて丹念に仕上げ、北京五輪の特別なプレゼントとして200あまりの国の元首と政府高官に贈りました。
雷佳はこのアルバムをリリースするにあたり、全国各地の少数民族の生活に深く入り込み、民族文化を肌で感じてきました。各民族の民謡の雰囲気を再現するため、雷佳はほとんどの部分を各民族の言語で歌いました。例えば、トン族の「夏蝉之歌(蝉の歌)」、ワ族の「加林赛(ジャリーンセ)」、カザフ族の「燕子(つばめ)」などでは、各民族の音楽の独特な魅力をいきいきと表現しました。
番組でお送りした曲
1曲目 「ムーランの詩」の最終幕「平和の賛歌」
歌詞:
太陽を愛する人は暖かさを得られる
明るい光の火種は既にその心の中に隠されている
平和の陽射しは
すべての生命を暖める
2曲目 芦花(芦の花)
この歌は雷佳のデビュー曲です。雷佳は2004年に全国青年歌手コンクールで「芦花(芦の花)」という曲で金賞を受賞し、中国音楽界での地位を確かなものにしました。
3曲目 夏蝉之歌(蝉の歌)
この歌は雷佳が歌ったトン族の民謡でアルバム「56の中華民族の歌」に納められている一曲です。