北京
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雷佳音(レイ・ジャーイン)は1983年8月遼寧省鞍山市生まれの、いま大陸を拠点に活躍している人気俳優です。
中学校を中退してモデルを目指していた雷佳音は、俳優である呂暁禾の助言で演技の勉強を始め、2002年に上海戯劇学院演技学科に進学。2004年にドラマ『江湖俏佳人』に初出演し、芸能界入りを果たしました。2006年に上海話劇センターに入り、舞台俳優としての活動もスタート。映画デビューは中国の大学受験を題材にした2009年のドラマ映画『高考1977』で、中堅俳優の王学兵や孫海英らと競演しました。
全国的に注目を浴びるきっかけとなった作品は、寧浩(ニン・ハオ)監督の2012年の話題映画『黄金大劫案(Guns N'Roses)』。この作品は、日本軍に侵略された中国・東北地区を舞台に、チンピラの小東北が、ひょんなことから日本軍が輸送する8トンの黄金を略奪する計画に参加することになった様子を描く冒険アクションで、主人公の小東北を演じる雷佳音にとって初の映画主演作にもなりました。雷佳音は、戦乱を生き抜くためにこそ泥などの悪事を繰り返しながらも、時には愛国心に燃えて救国に献身的になるという、この時代らしい一庶民の姿を演じ切りました。その生き生きとした演技は好評を博し、第11回中国長春映画祭最優秀主演男優賞や、第7回中国語青年映像フォーラム・最優秀新鋭男優賞、第14回中国電影表演芸術学会金鳳凰奨新人賞などを受賞したほか、この映画自体も1.54億元の好成績を記録。この作品で映画俳優として大きな躍進を遂げたため、その後は映画界に転向するのかと思いきや、雷佳音はその後、再びドラマに専念するようになりました。
彼が大ブレイクしたのは2017年。同年7月に、靳東(ジン・ドン)や馬伊琍(マー・イーリー)、袁泉(ユエン・チュエン)らと競演したドラマ『我的前半生』が放送され、全土で大きな反響を呼び起こしました。同時に、彼が脇役として出演した映画『繍春刀Ⅱ:修羅戦場』が初動記録2億元を突破、この作品で彼は第54回台湾金馬奨最優秀助演男優賞へのノミネートを果たし、俳優としての全盛期を迎えました。
ドラマに比べ、映画出演はごく少ないという雷佳音ですが、その映画作品はいずれも話題作となりました。そんな彼の今年の新作映画が、再び大ヒットを記録しました。それは、馮小剛(フォン・シャオガン)監督の撮影クルーとして活動してきた女性監督、蘇倫(スー・ルン)の初長編映画で1999年を生きる男性と、2018年を生きる女性がひょんなことから同じ部屋に住むようになったというタイムスリップ系ラブストーリー『超時空同居 (How Long Will I Love U)』。雷佳音は、女優の佟麗婭(トン・リーヤー)と時空を超えたロマンスを紡ぎだし、恋愛作品でも好演技を見せ付けました。(ミン・イヒョウ 謙)