北京
PM2.577
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こんにちは、日本人スタッフの森です。「日本」と聞いて外国人が真っ先に思い浮かべるのはやはり富士山でしょう。その富士山に魅了され、様々な日本の芸術品や関連グッズを収集し、何十年も日中友好に尽力している中国人男性の個人作品展を見学してきました。
李宗恵さん、83歳。幼少のころから日本文化に携わり、長年にわたって日中友好に務め、一線を退いた今は、北京市内で自宅とは別のマンションで個人の収集展を開いています。特に富士山をこよなく愛し、写真だけでなく富士山に関連した様々なものを展示しています。
訪問したのは6月20日で、富士山がユネスコの世界遺産に登録された2013年6月22日から満5年になろうという日でした。このため最近、たくさんの日本愛好者が見学に訪れている、と李さんは嬉しそうに話してくれました。
こちらは日本人におなじみの富嶽三十六景。1枚1枚丁寧にパネルに貼ってあります。
富士山のテレホンカード(左)と切手。どちらも過去のものとなりつつありますが、それだけに値打ちを感じさせます。
こちらも富士山関連グッズ。左はカレンダー、右は安倍川餅のケースです。東海道新幹線の中で富士山を見ながら安倍川餅を食べた記憶がよみがえります。
そして日本文化に大変な興味を持っている李さんは、富士山だけでなく伝統工芸品なども収集しています。
左写真はこけし、そして昔の500円札など。右は浮世絵のポスターや羽子板
李さんは、「中日両国が交じり合うにはやはり歴史や文化を知ることが大切。特に若者たちはアジアに興味を持ち、歴史をしっかり学ぶ必要がある」と、83歳とは思えないしっかりした口調で話してくれました。
それと、「日本には、私のように身銭を切って中国文化を展示する場を開いている日本人がいるのか」といった、日本に対する想いのこもった言葉も聞かれました。私も北京の様々な場で、日本に興味を持つ中国人からしばしば日本の状況について尋ねられますが、逆に外国人が急増している日本でも、来日者それぞれの母国に興味を持ってくれる日本人がいればいいと思います。
ともすると殻に閉じこもりがちな日本人ですが、すぐ近くにいるはずの外国人に気軽に声をかけてみてはいかがでしょう。たったそれだけで関係はずっと良くなると思いますが。(森 雅継)