北京
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6月21日は二十四節気の夏至にあたり、一年で最も昼間が長くなる日です。この時期、蓮や睡蓮の花は見頃を迎えています。濁った水の中から清らかで美しい花を咲かせる蓮の花は、古くから純潔のシンボルとされてきました。そこで今回の中国メロディーは「藍蓮花(青い蓮の花)」という曲をご紹介しましょう。
永遠に枯れない「青い蓮の花」
遮るものは何もない
あなたの自由な憧れ
自由奔放な生涯
気がかりなことは何もなく
ほの暗い歳月は過ぎ去る
迷いを感じたとしても
うなだれたその瞬間
やっと足元の道に気がつく
心の中は自由な世界
それはどこまでも澄み渡る
永遠に枯れない満開の青い蓮の花
この歌はロック歌手・許巍の「藍蓮花(青い蓮の花)」です。青い蓮の花は恒久の生命を象徴しています。青い蓮の花に関わる伝説が中国にはあります。
昔々、西雲山の麓には一輪の永遠に枯れない青い蓮の花が育っていました。この青い蓮の花を見る人は誰もが、幸せをもらうことができ、この花を見た僧侶も人から敬われる高僧になることができたそうです。あるとき、天海寺の2人の僧侶・了空と了無は西雲山に行き、伝説の青い蓮の花を探しに行くことを決めます。
二人はあらゆる艱難辛苦を乗り越えて、やっと月明かりが冴える夜に伝説の青い蓮の花を探し当てました。青い蓮の花は湖の真ん中に咲き誇り、銀色の月明かりの下、ほのかな光を輝かせています。了空と了無は闇夜の中、この神秘的な花をしばらく見ていました。その夜、了空は青い蓮の花が夢に現れ、この花は湖の中ではなく、彼の心の海で静かに咲いていました。一方、了無はなかなか眠ることができませんでした。そこで彼は湖の中を泳いで青い蓮の花に近づき、彼の手が花びらに触れた途端、花はすぐに枯れてしまいました。
その後、了空は言い伝えの通り、人から敬われる高僧になりました。青い蓮の花は枯れてしまいましたが、彼の心の海に咲く青い蓮の花はいつまでも枯れることはありませんでした。
心を温める「青い蓮の花」
「藍蓮花(青い蓮の花)」は中国ロック音楽界の巨匠・許巍が2002年に作った曲です。許巍は「僕が最も好きな2人の歴史上の人物は、三蔵法師と弘一法師だ。三蔵法師は夢を求めた強固な意志を持つ人間で、彼は中国の文化と歴史に大きな影響を及ぼした。もう一人は弘一法師で、彼と三蔵法師の共通点は乱されない信仰心と強固な意志を持っていたことで、非常に勇敢な人間だ。『青い蓮の花』という歌はこういう精神を讃える気持ちを表現した」と話しています。
許巍は今では中国ロック音楽界の重鎮ですが、その音楽の道筋は苦労の連続でした。2002年、仏教の聖山・峨眉山を登った後、許巍は「青い蓮の花」を作り、彼の音楽ジャンルも大きく変わりました。過去の悲しさや孤独を表現するものから、明るく、心が和むような曲となり、彼の音楽を通して心からの温かい力を感じることができます。
自由への憧れ「青い蓮の花」
香港のポップ歌手・林憶蓮(サンディー・ラム)が去年、湖南衛星テレビの人気番組「歌手」の中で許巍の「青い蓮の花」をカバーして歌い、この番組の年度トップ歌手を獲得しました。サンディー・ラムは「『青い蓮の花』の中で語られる自由への憧れは私の心を深く感動させた。青い蓮の花への憧れは私自身の憧れと重なると感じた」と話しています。
サンディー・ラムバージョンの「青い蓮の花」は「含苞(蕾をつける)」、「人間(世間)」、「盛开(満開)」、「自由(自由)」という四つの部分から構成されています。彼女はアルトからソプラノにわたる素晴らしい歌唱力をもって三蔵法師の旅を表現しました。三蔵法師が簡単な旅行用の袋を背負い、長安を離れ、シルクロードを辿り、あらゆる苦労を嘗め尽くして、ようやく天竺の大地に踏みこむ様子を生き生きと表しました。
番組の中でお送りした曲
1曲目 許巍バージョンの「藍蓮花(青い蓮の花)」
ロック歌手・許巍は玄奘三蔵が仏典を求めて天竺に行く強い意志に感動し、この歌を作りました。
歌詞:
遮るものは何もない
あなたの自由な憧れ
自由奔放な生涯
気がかりなことは何もなく
ほの暗い歳月は過ぎ去る
迷いを感じたとしても
うなだれたその瞬間
やっと足元の道に気がつく
心の中は自由な世界
それはどこまでも澄み渡る
永遠に枯れない満開の
青い蓮の花
2曲目 ギター曲「藍蓮花(青い蓮の花)」
許巍の「青い蓮の花」をアレンジしたギター曲です。
3曲目 サンディー・ラムバージョン「藍蓮花(青い蓮の花)」