北京
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1978年に発足した中国の改革開放。それから40年の間に、中国映画には体制面から制作面まで、様々な変革が起こってきました。この40年の歳月は、中国映画の発展史ともいえるでしょう。その歴史の中で、変革の証として時代の変遷や幾多の盛衰を記してきたのが、「映画ポスター」です。ここで、その色あせることない異彩の数々をご紹介しましょう。
1983年5月、広西電影制片厂(映画制作所)で平均年齢27歳の「青年撮制組」が結成されました。張軍釗が監督を務め、張芸謀(チャン・イーモウ)と肖風が撮影を担当するこのチームが、初めて手がけたのは『一個和八個』という作品。後に、この作品は中国第5世代監督のデビュー作ともされています。
『火焼円明園』(1983)。第2次アヘン戦争にフォーカスした歴史大作が満を持して登場。日本題は『西太后』、当時まれだった香港と大陸の合作という点でも注目を浴びました。『小花』でブレイクした新人女優の劉暁慶(リウ・シャオチン)が遂にトップ女優の座に!香港からは若き日の梁家輝(レオン・カーフェイ)が抜擢されました。
『黄土地』(1984)は、日本では『黄色い大地』の邦題で紹介されました。陳凱歌(チェン・カイコー)監督の代表作で、撮影は張芸謀(チャン・イーモウ)が担当。中国陝北の田舎を舞台に、一人の女性が運命に翻弄されながらもたくましく生きていく姿を描いた力強い作品です。中国第5世代監督の作品群の中でも一里塚と言える1本。陳凱歌と張芸謀の強力なタッグによる作品としても知られ、これ以降2人はそれぞれの視点から第5世代監督としての魅力を世界にアピールするようになりました。
『末代皇帝』(1986)とは、イタリア・イギリス・中国合作映画として日本でもよく知られる『ラストエンペラー』のこと。西側の世界が中国のことを理解するきっかけとなった作品です。第60回米アカデミー賞で、最優秀作品、最優秀監督をはじめ9部門を独占した超話題作です。
『芙蓉鎮』(1986)は、今は亡き名匠、謝晋(シェイ・ジン)監督の代表作。当時、珍しく文化大革命で起こった人々の悲劇を真正面から描き出した作品ということで、物議をかもしながらも大きく注目されました。映画界における思想解放や、過去への反省を推進する上で大きな役割を発揮しました。
『紅高粱』(1987)は、張芸謀(チャン・イーモウ)監督のデビュー作にして、中国映画の代表格と言っても過言ではない名作!中国人として、初の金熊賞(ベルリン国際映画祭コンペティション部門のグランプリ)を獲得しています。
『老井』(1987)、日本題は『古井戸』。張芸謀(チャン・イーモウ)は東京国際映画祭において、この作品で監督ではなく最優秀主演男優賞を受賞しました。たった1年間で、監督としても俳優としても国際的に花を咲かせる形に。中国人が国際映画祭で主演男優を獲得したのは史上初のことでした。
(ミン・イヒョウ、謙)