北京
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23/19
40 年間にわたる改革開放によって、中国の人々は徐々に小康生活を実現しつつあります。豊かになると同時に、食品安全問題への関心や、有機食品への意識もますます高まりつつある中、民間生活消費協同組合の試みが有志の中から生まれることとなりました。
日本の岩手県生活協同組合連合会の加藤善正元会長
この動きを受けて、中国人類学民族学研究会発展人類学専門委員会、そして清北消費生活協同組合(TP COOP)の招きの下、日本の岩手県生活協同組合連合会の加藤善正元会長が4日、北京の清華大学で「日本の消費生活協同組合(以下、生協)について振り返るーー社会の発展と中国への啓示」をテーマに講座を開催しました。これは清華大学の「発展人類学」講座の第二回講座として開かれたものです。
加藤善正元会長は、日本の生協の角度から、生協の起こり、立ち上げの経験、及び発展の過程などについて、加藤氏の57年間の「生協人生」を語るとともに、国際協同組合同盟(ICA)の定義、価値、原則の解釈を解説、最後には世界の生協のこれから、また、ユネスコが協同組合を世界無形文化遺産に登録した意義などについて自らの見解を披歴しました。
清華大学社会科学学院社会学部の張小軍教授は「協同組合の発展は中国においては非常に難しい問題で、現在もなお苦しい立場に置かれている。信頼関係、競争問題、共生の方式などの問題の解決方法について、何十年間も生協の経営に力を尽くした加藤先生には是非、理念と経験を語ってほしい」と期待を傾けました。
また、講座の後には、清北消費生活協同組合の創立者である金海蘭氏が、中国の協同組合設立に関わる人たちを集め、「生産、消費協同組合同盟の提案」というシンポジウムを開催し、互いに意見や考えをぶつけ合いました。このシンポジウムにも同席した加藤氏は「皆さんの話を聞いて、7,8割の意見には賛同している。ただ、皆さんが関心を持つ組織運営について、かたちばかりではなく、中身の問題をもっと深められるといいと思う」と感想を語りました。(取材:トントン)