北京
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6月1日は中国では子供の日です。この日、各地では楽しい祝日のお祝いのイベントが行われます。今週と来週の中国メロディーは、二回に分けて中国の有名な少年合唱団が歌った少数民族の子供の歌と各民族の風習をお届けしましょう。
蒙古族の騎馬少年
「馬上民族」と呼ばれる蒙古族は幼い頃から馬に親しみ、馬を神様から遣わされた使者として、人間の最も忠実な伴侶としています。
毎年の夏の祭典・ナーダム祭では、競馬はモンゴル相撲、アーチェリーと並ぶ「男の三芸」と言われ、騎馬民族の勇気と力を示します。中でも、子供たちが最も憧れるのはやはり、子供向けの競馬競技です。
選手たちは5歳から12歳までの子供達から選ばれた少年少女で、彼らは若いながらも、みんな素晴らしい騎手です。騎手たちはレースのスタート前に「ギーンゴー」と呼ばれる鼓舞する曲を歌います。これは馬への合図でもあり、大草原には心地よい緊張感が広がります。スタートの号砲が鳴ると、無数の馬が疾走し、凄まじい勢いと馬のひづめの音、会場の観客たちの歓声は、まるで草原の楽しいソナタを奏でているようです。
タイ族の祝日「趕擺」
タイ族は古来より中国西南部のシーサンパンナ森林に暮らしてきました。タイ族と言えば、賑やかな「ソンクラーン(水かけ祭り)」を思い浮かべる人が多いかもしれません。水かけ祭り期間、現地の町じゅう隅々まで、喜びに溢れる人々が押し合いへし合いになり、互いに水を掛け合って、相手を祝福します。
水かけ祭りのほかにも、タイ族には様々な祝日があります。これらの祝日のことを「擺(はい)」と呼び、そんな祝日イベントに参加することは「趕擺(かんはい)」と呼ばれます。
「趕擺」の日になると、タイ族の人々は綺麗な民族衣装を纏い、お寺に集まって、お経を読んだりします。男性たちは太鼓を叩いて、仏像を迎え、女性は線香をあげ、花や果物などのお供え物を捧げます。そんな「趕擺」の日の最も美しい風景といえば、色とりどりの傘を差し、綺麗なタイトスカートを履く若い女性達でしょう。タイ族の女性達はほとんどがほっそりしたスタイルで、色とりどりの傘に映える姿は、まるで美しいクジャクのようだと言われています。「趕擺」の日、若い男女が傘の下でこっそりと話す光景をよく見かけます。一つまた一つ、傘が竹林の奥に移る頃、この日の「趕擺」が終わりを告げると同時に、恋物語の始まりを暗示しています。
歌と踊り好きなイ族
中国西南部の雲南省に暮らす花腰イ族はイ族の別系統の民族で、彼らはみんな歌も踊りも上手で、その中にはイ族の大昔の伝説が残されています。
昔々、洪水が起きて、多くの村が水に呑み込まれ、アプドムという若者しか生き残りませんでした。この若者はその後、イ族の先祖になったとされていますが、当時、彼は大きな木を掴んで、洪水から助かりました。洪水後の見渡す限り荒涼としている光景を見て、激しく泣き涙を流しました。
神様は彼の境遇にとても同情し、美しい天女を遣わせました。彼女は下界に降りてきて彼を救い、そしてアプドムと結婚し、大きなカボチャを産みました。この大きなカボチャはまもなく二つに裂けて、沢山の男の子と女の子になりました。天女は花と葉っぱで子供たちに服を作り、歌と踊りを教えました。子供達はみな話せる時には歌を歌い、歩ける時に踊れるようになっていたそうです。
その後、男の子たちはアプドムに付いて畑仕事を学び、女の子たちは天女に刺繍を学んで幸せな暮らしを送りました。イ族の人々にはこのように代々伝えられてきています。
番組の中でお送りした曲
1曲目 八駿讃(駿馬の賛歌)
この蒙古族の歌は草原を疾走する駿馬を讃えています。
歌詞:
黄色い駿馬のたてがみが太陽を背に載せ
黄色い駿馬のしっぽが月を掃き落とす
黄色い駿馬のいななく声は世界を震撼させ
黄色い駿馬のひづめは山河を歩きとおす
黄色い駿馬は蒙古族の勇士に呼掛け
黄色い駿馬は全身勇気の塊だ
2曲目 趕擺路上(趕擺の途中で)
この歌はタイ族の子供たちが趕擺に行く途中の楽しい気持ちを歌っています。
歌詞:
風が吹いて 蓮の花が揺れ動く
鳥が飛んでいて 笑い声が空に響き渡る
趕擺に行く道は なんと賑やかだろう
姉妹たちは 喜んで出会い
打ち解け 話は語りきれないほどだ
3曲目 撒哩啰(サリロ)
サリロはイ族舞踊の名称で、この歌は歌や踊りの形式で親への思いを表しました。