北京
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キーワード①
【知识付费】(zhīshí fùfèi)、【内容付费】(nèiróng fùfèi)[名]知識の有料化、コンテンツ有料化.
ネット上で知識を得る際に対価を支払うことを言ったものです。その本質は、知識を商品化、サービス化することで、商業的価値の付加を実現することにあります。
昔は「インターネット」といえば無料のものが主流でしたが、現在ではかなりのコンテンツが有料化されるようになっています。
最近の中国では、一連の出来事によって「知识付费」が一種のトレンドになっています。今からちょうど2年前の2016年5月15日、「分答(Fēndá)」というまるで某清涼飲料水のような名称の有料音声質疑応答プラットフォームがローンチされました。この分答では、自分の疑問に答えられるであろう人をその場で選び、その人から1分間回答してもらうことができます。当然のことながら、料金は人によりバラバラです。また、それに続いて、「得到(Dédào)」とそのアプリ、ソーシャルウェブサイト「知乎(Zhīhū)」のアプリ「知乎live」がローンチされました。さらにその後2017年に入ると、ソーシャルサイト「豆瓣(Dòubàn)」が「豆瓣时间(Dòubàn shíjiān)」をローンチしました。また、この他にも、テンセント社が微信(WeChat)の公式アカウントの購読を有料化を計画しているとの報道もあります。
インターネット上に無料の情報が溢れているこの世の中で現れた数多くの有料コンテンツ。その魅力はどうも①情報入手コストの引き下げがはかれる点と②ソーシャルリソースの増加が進んだ点にあるようです。ここでいうコストは金銭面のコストと時間的なコストの両方があります。ネットの普及で誰もが情報発信をできるようになり、無料の情報は溢れるほどありますが、そこから必要且つ正確なものを選ぶには時間がかかります。そして、その為に学校に行くには大量の授業料や時間がかかります。そこでネット上の有料コンテンツを通してそのような「調達コスト」を極端に下げられるようになった、と言う訳です。
しかし、本当に便利になったのでしょうか。こうした有料コンテンツの出現は、情報の入手が便利になったと感じるのと同時に、裏返して見ると、人々がせっかちになり、何でも直ぐに解を求めると言うインスタント文化の現れにも見えます。考え方によっては、広義のリテラシーを継続的に身につけていくことの重要性が余計に際立つ現象とも言えるのではないかと思われます。
キーワード②
【平台经济】(píngtái jīngjì)[名]プラットフォーム・エコノミー.
「平台」には色々な意味があります。英語のplatformはそもそも「壇上」や「(高い)足場」の意味ですが、パソコン用語としてはそのままプラットフォーム(外来語としてですが)という意味で使われ、インターネット用語としては、サイト、システムの意味でも使われます。日常では、活動の足場や舞台、環境、拠点、土台、基盤などを「平台」と表現することもあります。今回ご紹介したこの「平台」は、バーチャルあるいは実際に存在する「取引の場所」を指したものです。プラットフォーム自体は製品を生産するわけではありませんが、二者あるいはもっと多くの供給サイドと需要サイドの取引を成り立たせ、手数料や取引差額で利益を得ています。
私たちが日常よく使っているアップルストア、アマゾン、それからJD.comなどはこれにあたります。
中国では、今年の全人代の『政府活動報告』で、「鼓励大企业、高校和科研院所开放创新资源,发展平台经济、共享经济,形成线上线下结合、产学研用协同、大中小企业融合的创新创业格局,打造双创“升级版”(大手企業、大学と科学研究機関のイノベーションリソースの開放を奨励し、プラットフォーム・エコノミーやシェア・エコノミーの発展を促進し、オンラインとオフラインの結合、産・学・研・用の連携、大中小企業の融合による起業とイノベーションの流れを作り上げ、大衆による起業と万民によるイノベーションのアップグレード版を作り上げよう)」と謳われたことで、初めてこの「平台经济」が正式な舞台に躍り出ることになりました。中国はこれまで様々な商品を生み出してきて、それを世界各地に販売してきた実績がありますから、沢山のノウハウが蓄積されています。プラットフォームをハブにした経済活動は、これからもどんどん広がって行くでしょうし、プラットフォーム自体がどんどん洗練されて、便利になって行くことが期待されます。