北京
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23/19
映画のポスターに欠かせない「キャッチコピー」に注目したことはありますか?中国では近年になって、さまざまなキャッチコピーを見かけるようになりました。短い言葉に映画の魅力が凝縮されていて、中には「この映画を観たい!」と思わずにはいられなくなるような名文句もあります。中国語のキャッチコピーの意味を知ることは、映画への理解を深めるだけでなく、日本の皆さんにとって中国語学習の良き教材となることでしょう!
作品:紅海行動(Operation Red Sea)
今月の「映画のキャッチコピーに学ぶ」は、2018年の年間ランキングで暫定1位となっている中国映画『紅海行動(Operation Red Sea)』に注目。本作は、香港の林超賢(ダンテ・ラム)監督がメガホンを取り、中国軍隊の活躍を描いた『XX行動』シリーズの第2弾です。2016年に話題になった前作『湄公河行動(メコン大作戦)』は、2011年に起きたメコン川中国船襲撃事件を映画化したものでしたが、今作は中国海軍による海外救援を描いたものとなっています。
キャッチコピー①:中国海军接你回家(zhōng guó hǎi jūn jiē nǐ huí jiā)
日本語訳:中国海軍は君を家まで送り届ける
こちらは予告版ポスターに配されたキャッチコピーで、ずばり、この映画のテーマである中国海軍による海外救援を示す言葉になっています。「接…回家」は中国の慣用句で、「家まで送り届ける(連れ帰る)」という意味になります。2015年に中国海軍がイエメンで実施した「中国人救出作戦」を基にしたこの作品は、政局が揺れ動く北アフリカの架空の国を舞台に、救出ミッションに当たる海軍の「蛟龍突撃隊」が反体制派勢力による騒乱から中国人を全力で救出する物語になっています。モデルになったイエメンでの救出作戦に実際に参加した軍艦「臨沂号」も映画に登場し、軍艦「許昌号」や上陸船「昆侖山号」といった海軍の現役の艦艇も映画で初披露されています。
キャッチコピー②:蛟龙出海 扬我国威(jiāo long chū hǎi yáng wǒ guó wēi)
日本語訳:蛟龍よ、いざ出陣 国威発揚せよ!
これは公式ポスター用のキャッチコピーです。「蛟龍」は中国神話に登場する神獣で、海を司る強大な力を持つものとされており、中国海軍の精鋭突撃隊にピッタリの名前と言えるでしょう。「扬我国威」も慣用句で、中国のスローガンなどによく登場する言葉です。
キャッチコピー③:海上蛟龙 陆地猛虎 空中雄鹰 反恐精英(hǎi shàng jiāo long lù dì měng hǔ kōng zhōng xióng yīng fǎn kǒng jīng yīng)
日本語訳:海上の蛟龍 陸地の猛虎 空中の大鷹 皆、無敵な精鋭部隊
こちらも公式ポスター用のキャッチコピーです。「蛟龍」が海の王ならば、猛虎と雄鷹は陸と空の王者を意味します。中国語では、人間のことを動物に例える傾向があり、よく使われる表現法の一つです。熟語の「反恐」は「テロ取り締まり」「テロ対策」などの意味。
この作品は今年の春節に封切られ、現時点での興行収入は36.48億元に計上されています。(ミン・イヒョウ、謙)