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【自主招生】(zìzhǔ zhāoshēng)[名]AO入試.
今から15年前の2003年から、教育部は「自主招生」を推進するようになりました。「自主招生」で学生を募集する大学はほとんどが名門大学で、そうした大学に入ろうと考える学生は、統一試験を受験するのではなく、まず大学のホームページから出願することになります。
そこで学校側の設けた条件に符合する学生には、筆記試験と面接の受験機会が与えられます。そして、その試験の成績が優秀であれば、その場で合格が言い渡されたり、統一試験で一定の点数を取れば真っ先に合格通知を出しますよ、という契約をしたりします。
この方式で出願するには、原則として高校の推薦が必要となりますが、自分が志望する大学の条件を満たせるだろうと思う学生は自己推薦の形でも出願できます。高校での成績や特技、授業の成績以外にも文学、芸術、スポーツ、発明、社会活動などで優れた能力があるなど、大学側が一芸を持っていると判断できる何かを有することが条件になります。
推薦入学制度自体は昔から存在し、昔話題になった「奥林匹克竞赛」(数学、物理、化学、生物などの科目オリンピック大会)での成績も推薦入学の条件の一つとして採用されたことがありましたが、2014年以降は教育部など5つの省庁の規定によって、こうした科目オリンピックの成績は従来の推薦入学の基準としては認められなくなりました。しかし、この「自主招生」の制度を利用する場合には、「これらの科目オリンピックで出した成績が優秀で、「一本」の最低合格ラインを超えれば、希望する大学に入学できる道が生まれています。
なお、この「自主招生」は大学入試の一部として重視されている一方、非難する動きも出ています。マスコミの調査によりますと、一部の大学の「自主招生」で入試担当者の間で汚職問題が起きているというのです。最近は大学入試の大改革が行われていて、「自主招生」の範囲が拡大される方針が出されているので、そうした不正や腐敗に対する監督管理も厳格にしなければならないという意見も出されています。裁量権というのは、どの部門でも非常に微妙なものなので、一人一人の学生の未来のためにも、新時代の様々な政策が展開される中で、そうした不正がなくなっていくことを祈るばかりです。
【成人高等教育】(chéngrén gāoděng jiàoyù)[名]社会人向け高等教育.
色々な事情で大学に入れなかった人や、現在の学歴を更にレベルアップしたいと考える人のために用意された選択肢です。
この制度には、自らの学歴を前回紹介した「大专」から「本科」へ進むための「专升本」、高校から「本科」へアップグレードするための「高起本」、そして、高校から「高职」あるいは「高专」へ進むためのもの(略称は共に「高职」「高专」)という三種類の道が用意されています。
中国の社会人教育には①全日制(普通に授業を受けに通学するもの)、②定時制(夜や休日に授業を行うもの)、③一部通信制(普段の授業は通信で行い、休日などに集中講義を受けるもの)、④完全通信制と4つの形式があり、それぞれの事情や目標によって、授業を受ける年数も異なります。 日本の社会人教育の市場では大学院教育が盛り上がりつつありますが、中国の大学院では①②の形式が主であり、まだ通信制やネット教育は進んでおらず、②定時制も学歴市場では一段低い評価を受けますし、海外の学校のネットスクールなども広くは認められていない状態です。生涯教育の概念は普及していますが、まだ「一本」の天下が続きそうです。
【高等教育自学考试】(gāoděng jiàoyù zìxuékǎoshì)[固]単位制自主学習式高等教育.
独学で勉強する人を対象にした学歴獲得のための国家試験制度です。
こちらは一般の大学入試、成人向け大学入試とは対象、試験時間、学制などが違っている上、科目ごとに受験するものになっており、科目合格者には科目合格証を与え、全科目合格したら卒業証書が授与されるという制度です。科目試験は毎年4月と10月と一年二回各都市の試験会場で行われます。また、この「学歴」と「学位」は別物で、学歴試験を通過しつつも、点数などの一定の条件を満たさないと学位が申請できない仕組みになっています。
さらに、この試験には国家が認める一定の学歴を持つ人しか申し込めません。「大专」なら高校卒業、「本科」なら「大专」の学歴を持つことが求められます。
通信教育の経験者であれば想像の及ぶところかと思いますが、自学自習で学位をとると言うことは並大抵のことではありません。そして、この試験制度で学部を修了できる人は10%にも満たないと言われ、極めて強い精神力と学力の求められる制度として知られています。もし、ご存知の方や転職希望者の方の中に、この制度を利用して学士まで取得された方がいらっしゃる場合は、是非その労を讃えてあげて頂きたいと思いますし、高い評価をしてあげてほしいと思います。