漢字ミュージアム:体験を通して感じる漢字の美

2018-03-29 13:56  CRI

【新華社京都3月26日】「漢字回転すし」ってどんな味? 体を使って漢字を表現できる? 正しい四字熟語をどれだけ完成させられる?3千年以上前の甲骨文字で今の漢字を書くとどうなる?日本初の漢字博物館「漢字ミュージアム」では、さまざまな神秘的で興味深い体験を通じ、漢字の尽きることのない魅力を感じることができる。

  「漢字5万字タワーにはびっくりした。これほど多くの漢字があることを初めて知った」。京都在住の大学生、田中さんは展示を見終わった後で「毎日漢字を使っているけれど、まだ知らないことがたくさんあった」と感想を語った。

  漢字ミュージアムは京都の代表的繁華街、祇園の近くにあり、漢字能力検定協会が設立した。ミュージアムの中央には高さ10メートルの漢字5万字タワーがそびえている。タワーの側面は色や大きさの異なる漢字で埋め尽くされている。同ミューシアム広報部の岩橋恭子氏によると、漢字のうちで大きく水色のものは小学校で学ぶ千字強の「学習漢字」で、大きくオレンジ色のものは「常用漢字」だ。赤色で強調されている漢字も合わせると6千字強となり、これらの音・訓を理解し適切に使えるのが漢字検定1級レベルだという。

  ミュージアムの展示面積は約2715平方メートルで2フロアに分かれている。1階では漢字の歴史絵巻を展示し、漢字の発展史や日本と中国の漢字文化の起源、日中韓で共通の漢字808字を紹介している。歴史絵巻の序文として巨大な亀甲の模型が置かれており、岩橋氏によると、亀甲周辺の漢字に触れると、対応する甲骨文字が浮かび上がって徐々に亀甲上に移動する仕組みで、はるか遠くの古代から「あいさつ」されているようだという。

  2階は体験型展示が中心で、回ってくる皿を取ってクイズに答える「漢字回転すし」、1人または複数が体を使って漢字を表現する「体で漢字をつくろう」のほか、象形文字を探したり新しい漢字を作ったりするコーナーなどがあり、大人も子どもも楽しめるようになっている。

  大阪在住の大学生、藤本さんは友人と一緒に、漢字で生き物の名前を書いたり、さまざまな漢字を正確に読めるかどうかにチャレンジした。多くの生き物の名前を正しく書けず、読めない漢字も多かったが、多くのことを学び、とても楽しかったそうで、「定期的に開催される漢字に関する講座にも興味を持ったので、今後はたびたび来ることになりそうだ」と語った。

  漢字の発展史は文具の発展史でもある。ミュージアムでは、7段階に分けて「書く素材と道具の進化」を紹介している。木の枝を使って砂の上に書くところから、活版印刷、タイプライター、現在のスマートフォンに至るまで、文具には大きな変化があったことが分かる。

  科学技術の急速な発展に伴い、筆を持つ機会は徐々に減っている。はるかな未来では、人類が再び文字が出現する前の無文字言語状態に戻るのではという懸念を抱く人も多い。漢字ミュージアムの山崎信夫副館長によると、先進機器のせいで読み書き能力が低下し、書こうとしても字を思い出せないことがよくあるとこぼす来場者が多いという。

  ミュージアムは「漢字をきちんと書けない、読めないのはやはりまずい」という認識を徐々に深く浸透させたいとの意向を持ち、漢字の起源や変遷のプロセスの紹介や、関連する文化・教育活動など、さまざまな興味深い体験活動、実践活動を行っている。このため、大阪など周辺地域の子どもにとっても、良い校外学習の場になっているという。

  また山崎副館長よると、日本と中国は漢字文化の面で密接な関係がある。漢字の起源は中国の甲骨文であり、象形文字に発展した後日本に伝わり「日中の言語交流はかなり早い段階で始まった」という。一方で、「特に明治時代には日本ではいろいろな場所で漢字が使われていた。例えば『図書館』という言葉は元々中国にはなく、日本で英語から翻訳された後、中国に逆輸入された言葉だ」という。

  さらに、ここでは大阪大学の加地伸行名誉教授(中国哲学)が定期的に「論語」講座を開いている。開始から1年余りだが、多くの受講者が非常に熱心に学んでいるため、今後も続けていく方針だという。

  ミュージアムの入り口には、巨大な「北」の字が展示されている。これは2017年に選ばれた日本の「今年の漢字」だ。2017年の漢字は朝鮮のミサイルの北海道上空通過、九州北部豪雨、北海道のジャガイモ不作など一連の「北」に関係する出来事があった。2015年の「安」は国民に大きな不安を持たせた「安保法案」など、その年に発生した社会の大きな出来事の記憶が呼び起こされる。2013年の「輪」はオリンピックマークの五輪を指し、東京が2020年オリンピックの開催地に選ばれたことを想起させる。

  漢字は数千年にわたる発展と変化を経ており、奥深く、簡単な漢字一文字であっても、その中に千言万語を凝縮することが可能だ。1階の展示の最後では、漢字検定協会が毎年開催する「今、あなたに贈りたい漢字コンテスト」の受賞作品が壁一面に展示されている。第4回「家族部門」受賞作品の場合、2011年の東日本大震災の被災地に住む女性が「手」という文字で次のような祖母への思いを表現している。「最後までばあちゃんと手を繋いでいたのは私であり、手を離してしまったのも私でした。東日本大震災の津波に襲われ私が手を離してしまったからばあちゃんは命を落としてしまいました。ばあちゃん、本当にごめんなさい。80歳を過ぎてもあの逞しい手は昔懸命に働いた証です。あの手の感覚を私は今でも覚えています」。

  これが岩橋氏が最も感動した作品だ。たった1文字の漢字で心に響く思いを届けることができる。これこそが漢字の力であり魅力だと、彼女は話している。

ラジオ番組
10月29日放送分
00:00:00/00:00:00
  • ハイウェイ北京<月曜日>の担当者 劉叡琳_fororder_周一刘睿琳130
  • ハイウェイ北京<火曜日>の担当者 王小燕&斉鵬_fororder_周二小燕齐鹏130
  • ハイウェイ北京<水曜日>の担当者 謝東&劉非_fororder_周三谢东刘非130
  • ハイウェイ北京<金曜日>の担当者 劉叡&孟群_fororder_周四刘睿孟群130
  • ハイウェイ北京<金曜日>の担当者 任春生_fororder_周五任春生130
  • ハイウェイ北京<週末篇>_fororder_北京直通车周末篇
特集ダイジェスト
最新コラム
新華社_fororder_12日中友好協会_fororder_11人民網日本語版_fororder_10人民中国_fororder_9中国網日本語版_fororder_8東方網日本語版_fororder_7JAPAN online_fororder_5
UTYテレビ山梨_fororder_4中華網日本語版_fororder_3東方通信社_fororder_2中国百科検定_fororder_132959111934859451北京観光_fororder_1
佟同