北京
PM2.577
23/19
聞き手:王小燕
2月13日は国際連合教育科学文化機関(UNESCO)が定める「世界ラジオデー(World Radio Day)」です。これにちなんで、本日は1960年代からのBCL愛好家(放送受信趣味)細谷正夫さんにお話を伺います。
細谷さんは大学の元職員を経て、定年退職した後、現在は東京都東久留米市にお住まいです。1960年代の中学生時代から、世界各国の日本語放送を聞くというBCLを趣味にしてきました。その後、大学受験や就職、結婚などでしばらくラジオの受信から離れた時期もありましたが、1990年代のはじめに再開して、今日に至っています。
ご自宅には、据え置き型ラジオ受信機2台と携帯用小型受信機1台の計3台のラジオがあるそうです。自宅にいる時だけではなく、出かける時にも対応できるよう万全の準備を整えています。
毎日、夕方4時半から、細谷さんはご自宅のラジオルームで充実した時間を過ごしています。夕飯の時間を除き、毎日4~5時間をかけて、中国、韓国を始め、世界20カ国・地域からの電波を休む暇もなくキャッチし続けているのです。
それも「ながら族」でただ聞き流すのではなく、メモを取りながら同時録音もします。放送で紹介され、興味深く感じた話題はピックアップして、後日、ご自分の運営するブログ「国際短波放送情報」で紹介しています。細谷さんにとって、ラジオは世界と向き合う上での重要な窓口の一つです。
日本では、戦時中、大本営放送という、一方的な発表を信じ込んだことで、大勢の国民を戦争協力者にした歴史があります。その反省の思いから、BCLブームが沸き起こりました。その立役者で、「BCLの神様」と言われた山田 耕嗣(やまだ こうじ)氏(1940-2008)が亡くなった後も、その思いに賛同しながらBCLに真摯に取り組んでいる方たちが今も大勢います。細谷さんもその中のお一人です。
このようなベテランラジオファンの細谷さんは、いつもどのようにラジオを聞いているのでしょうか。インターネットが普及し、情報がいたるところに溢れ、ネットラジオも大変便利に受信できるようになったのに、何故ラジオにこだわり続けているのか。日本の無線愛好者たちの集まりの場・ハムフェアでのCRI日本語放送へのアンケート調査の結果と合わせて、北京からの日本語放送へのご期待、ご注文も伺いました。
今回は電波の向こうでいつも私たちを支えている方たちへの感謝の気持ちを込めての企画です。ぜひお聞きになっての感想をお寄せ下さい。メールアドレスはriyubu@cri.com.cn、「CRIインタビュー係り」宛てにお願いいたします。
【プロフィール】
細谷正夫(ほそや・まさお)さん
1946年山形生まれ
元大学職員
東久留米市在住
1960年代初めから当時の北京放送(今のCRI日本語放送)を始め、世界各国の国際放送の受信を始める。
2008年にブログ「国際短波放送情報」を立ち上げて、日本語放送を中心に、海外からの短波放送やメディア関連の話題を積極的配信している。
【参考】BCLとは?
英語の「 Broadcasting Listening、または Listeners」の略です。放送(特に短波による国際放送)を受信して楽しむ趣味を指します。
受信者が、受信した放送局名、受信年月日、受信時間と時刻、受信した周波数、受信状態(SINPOコードによることが多い)、使用した受信機やアンテナの状況、受信を確認できる放送番組内容の概略と、その感想などを記述した受信報告書を放送局に送りますと、受信したことを証明する受信確認証(ベリカード/Verification Card)が発行され、それを収集することを趣味とする人もいます。
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