北京
PM2.577
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旧正月が迫り、北京の音楽舞台は様々な新春音楽会に彩られています。ここ数年、中国の音楽界では多くの魅力的な作品を世に生み出しています。例えば、歌手・李健が作った「貝加尓湖畔(バイカル湖畔)」は外国音楽の要素を取り入れて中国の趣を表し、不思議な魅力を放っています。今回の中国メロディーは「貝加尓湖畔(バイカル湖畔)」をご紹介しましょう。
心温まる李健の「バイカル湖畔」
「貝加尓湖畔(バイカル湖畔)」は歌手の李健が2011年にロシアのイルクーツクを訪れた時、バイカル湖の美しい景色に魅了されて作ったものです。バイカル湖は世界で最も古い古代湖として知られ、三日月形の湖が澄んで美しいことから、「シベリアの美しい目」と言われています。かつてバイカル湖南部は、中国北方の遊牧民族が暮らす地区で、唐の名詩人李白の故郷として知られています。しかし、清の末期以後はロシアの土地として治められています。地元の風光明媚な景色と美しいロシア音楽が李健に強い印象を残しました。
偉大な作曲家・プッチーニが中国民謡の「茉莉花」の旋律に影響を受けて、イタリアの有名なオペラ「トゥーランドット」を創作したように、李健もロシア音楽を通して自分の感情を表現しようと考え、「バイカル湖畔」という歌を生み出しました。李健の心温まる優しい歌声はロシア風の音楽と民族楽器を巧みに融合させ、心を癒す魅力を持っています。そんな李健の歌声を聞くと、まるでバイカル湖畔の美しい景色に身を置くように、心が洗われるのを感じます。
壮大な譚晶とタスケンの「バイカル湖畔」
2016年江蘇省衛星テレビの人気番組「仮面歌手、当てて見て」の中で、名歌手の譚晶とタスケンがデュエットした「貝加尓湖畔(バイカル湖畔)」は観客に新しい芸術的感覚をもたらしました。特に、譚晶の女神のような歌声はこの歌を新たな境界へと誘いました。センテンスごとに音楽の中に注がれる感情が異なり、新しい風景が見えるほどです。そんな音楽から美しい風景や美しい人、それに美しい恋などを感じられます。
私の懐に あなたの目の中にある
そこでは春風は人をうっとりさせる
そこでは緑の草が絨毯のように生い茂っている
月光は愛情を湖面に撒いて
二人の篝火は夜空を照らす
譚晶の優しい歌声は春風が運ぶ母の手のように、恋人のキスのように人をうっとりさせます。譚晶の優しく切ない歌声の「この世の中 どれほどあなたと私が 月光のような夜に呑み込まれるのだろうか」という部分は歌が一番盛り上がる聞かせどころで、恋愛中の数えきれない恋人の浮き沈む気持ちを表わしています。譚晶の表情豊かな歌声から「バイカル湖畔」や人生の様々な風景を楽しむことができます。特に彼女の華麗なソプラノはまるではるか遠くの頂上の積雪を感じさせ、そして、彼らの歌声は空から大地を見下ろすような壮大な気持ちにさせてくれます。
もし、李健バージョンの「バイカル湖畔」は心を洗い、魂が清らかになる旅だと言うならば、譚晶とタスケンが歌ったバージョンは心を揺さぶる旅だと言えるでしょう。
番組の中でお送りした曲
1曲目 貝加尓湖畔(バイカル湖畔)(李健バージョン)
2曲目 貝加尓湖畔(バイカル湖畔)(譚晶とタスケンが歌ったバージョン)
歌詞:
私の懐に あなたの目の中にある
そこでは春風は人をうっとりさせる
そこでは緑の草が絨毯のように生い茂っている
月光は愛情を湖面に撒いて
二人の篝火は夜空を照らす
この世の中
どれほどあなたと私が
月光のような夜に呑み込まれるのだろうか