北京
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キーワード①
【旅行青蛙】(lǚxíng qīngwā)[固] 旅かえる(ゲームアプリ名).
「青蛙」はカエル、旅行するカエルで「旅かえる」ということで、最近中国で大ヒット中の日本発のスマホゲームの中国語タイトルです。
「旅かえる」は、日本のヒットポイント社が開発した「放置系ゲーム」の一種。プレーヤーが動ける範囲は「庭先」と「おうち」の2つだけ、さらにできることといえば庭先のクローバーを収獲して、通貨替わりに家の中にある「おみせ」で買い物をすることだけ。そして、買えるものは旅に必要な食べ物や旅行用品のみで、かえるがそれを勝手に持って旅に出るという、受け身のものばかり。カエルがいつ旅に出るのか、家に帰るのかもわからない。旅先から写真が届いたり、旅先で知り合った友達が遊びに来たりしますが、プレイヤーはそれ以上、手の出しようがないという、極限まで「自由を奪われた感」の強いゲームになっています。とにかくプレイヤーが干渉できることが限られています。
日本で開発されたゲームなのですが、なぜか中国のアップルストアでのダウンロード数が最も高くなっているとのこと。日本のメディアの統計を見ますと、ダウンロード数の96%は中国から、日本は2%ほどしかないということで話題になりました。しかも、それがインターフェイスは全部日本語という、中国のローカルユーザーにはとても「痛い」設定。それでも受けており、オフィシャルではない中国語版まで生まれています。
この会社は前にも「ねこあつめ」という自由のきかないゲームを作っていて、その時も一部話題になったのですが、この旅かえるはまさにスマッシュヒットといっていい作品になりました。
孤独や疲れを癒すゲームとでもいいましょうか、要は神経をすり減らしてキャラクターを育てるゲームに疲れた人や、人付き合いに疲れた人が、このゲームにはまっているような状況がそこにあります。
ゲームのヘビーユーザーに聞くと、「どんな行動を取るかわからないからこそ、喜びが大きい。かえるが本当にいるように感じる」といいます。「二日間も出かけたきりで、帰ってこない。どうしたのかなあ」と、モーメンツで呟く人もいれば、中国語版の攻略記事を求む、という人もいます。また、若い子からは、子供が旅に出たお母さんの心情を理解することもできるという声も聞かれますが、開発者のインタビューによれば、実はこのカエルは「旦那さん」をモチーフにデザインしたものとか。国が変わると、旦那さんも息子さんに変わってしまうのですね。
中国でキャラクターグッズが出たら、相当売れる予感のするゲームです。
キーワード②
【冲顶大会】(chōngdǐng dàhuì)[固]天辺越え大会(クイズライブアプリ).
「冲顶」は登山用語で、トレーニングや食料、キャンプなどの準備を整えて、山頂に向かう行動を指すものです。
「冲顶大会」は賞金付のネットライブクイズのアプリです。中継期間中、司会者が全部で12のクイズを出し、全問正解するその回の賞金を山分けできるという、いたって単純な仕組みですが、わかりやすさが受けて大流行りになっています。ただ、このクイズはライブ放送の時間が決まっているので、ほかの時間帯に入っても何もできないという、まさに短期集中型のものです(現在は過去問を使った友人同士の対決モードが作られています)。
これはもともと欧米のアプリHQのフォーマットを丸々使用したものですが、不動産開発で有名なワンダグループの御曹司であり、一挙手一投足が注目されているネットセレブの王思聡さん(お父さんは大陸1の金持ちと言われた王健林氏)が、ウェイボーで「我撒币,我高兴(お金をばらまくのが超楽しい)」と宣言したことで、一気に知名度が上がることになりました。他にもライブアプリは多数存在し、同様のゲームは他も始めていましたが、彼の一声で、この「冲顶大会」の盛り上がりの質が変わった感がありますし、今では沢山の投資家が寄ってくる一大メディアに育ちつつあります。普通の広告よりも費用対効果が高いとも言われており、どのようなプラットフォームに育つかが注目されています。