北京
PM2.577
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こんにちは、日本人スタッフの森です。前回に引き続き鉄道シリーズをお届けします。
1月15日、北京市内で、国有鉄道による通勤路線に体験乗車してきました。
日本では通常、都市部で「鉄道網」というと、JRを中心に私鉄や地下鉄、あるいは路面電車やモノレール、新交通システムなど幅広い対象を示し、いずれも通勤の足として利用されますが、中国では通勤の足はほぼ地下鉄(中国語で「地鉄」)のみであり、国有鉄道は長距離客のみを対象としていました。ところが上海などの大都市で、高速鉄道で通勤する人(日本で言う新幹線通勤)が増えており、鉄道当局も通勤客への対応を取り始めています。
そこで、北京でも、昨年末に通勤客を対象とした列車の運行が始まりました。
運行区間は、北京西駅と市街地東部の通州駅を結ぶ約30kmで、市街地を東西にほぼ一直線に走ります。本数は朝夕のラッシュ時間帯のみの計4往復です。
駅の改札口は専用であり、発車5分前に打ち切りとなるので、「駆け込み乗車」はできません。
新幹線タイプの新型車両。8両編成です。そして車内は、ゆったりした座席は集団見合い式に配置され、車両中央には大きなテーブルがあります。また設備も整っており、折り畳みいす、トイレ、荷物の収納棚、プラグ差込口など。無線LANも使えます。ちなみに運賃は、「地鉄」と同じ料金体系なので、片道たったの6元です。鉄道ファンにとってはコスパ良すぎです。
ところで肝心の乗車率ですが、写真の通りにガラガラでした。この列車は鉄道局が運営しているので乗車の際に身分証明書が必要であること、また開通後間もないこと、そして各停車駅へのアクセスが未整備であることがその理由とみられます。
列車は出発48分後の8時30分、定刻に終点通州駅に着きました。この駅も老朽化しており、また駅付近の環境も含めて整備が待たれるところです。
前回のつぶやきで、地下鉄の路線はかなり発達したとお伝えしましたが、これからは、バスやこのような「鉄道」と合わせたトータル的な交通網の整備が必要と思われます。鉄道当局のさらなるサービス向上を期待したいところです。(森 雅継)