北京
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テイラー・スウィフト、ベネディクト・カンバーバッチ、トム・ヒドルストン・・・ちょっとした言動で世の中を騒がせる芸能界のビッグネームの数々。しかし、そんな海外セレブたちの「ちょっと長い」名前に戸惑うこと、ありませんか?それが中国語になるとなおさら、「泰勒・斯威夫特」、「本尼迪克特・康伯巴奇」、「湯姆・希徳勒斯頓」・・・漢字の表記に一目見ただけで「面倒くさい!」と思う人も多いことでしょう。彼らのことを呼びやすく、覚えやすくするため、中国ではいまファンが心を込めて名づけた中国語の愛称が定着し、ユニークな中国語現象にまで発展しています。外国のセレブたちは中国でどんな愛称で呼ばれているのか?このシリーズで一挙大公開!理由を聞けば頷いてしまうこと間違いなしの様々な「ニックネーム」は、話のネタに使えるだけでなく、中国人の深層心理や世相など中国の「今」を理解する鍵にもなることでしょう!
结石姐(jié shí jiě)
本名:ジェシー・J/婕西J(英歌手)
いま中国でブレイク中の欧米歌手と言えば、ジェシー・Jの名前が真っ先に挙がります。彼女は湖南衛星テレビの音楽系リアリティ番組『歌手』に出演していることで、全国的に注目を集めています。同番組はプロの歌手のパフォーマンスに500人の観客が投票で順位を付け、最下位になった歌手が失格となって番組を降りるという、勝ち抜き形式のスタイルで人気を集めています。その前身は人気番組『我是歌手(I Am A Singer)』で、今年で第6シーズンを迎えました。ジェシー・Jは番組内で完璧な歌唱力を披露しており、優勝候補とも言われています。そんな彼女の愛称の「结石」とは、なんと腎臓結石のこと!中国語の発音「jié shí」が「ジェシー」に似ていることに加え、彼女の持ち味であるハイトーンボイスを出すときの表情が「痛そうで苦しそうで」まるで腎臓結石の発作のように見えるというのが由来です。ジェシーの中国ファンたちは、ユニークなセンスを持っているようです。
黄老板(huáng lǎo bǎn)
本名:エド・シーラン/艾德•希兰(英歌手)
2017年に「Shape Of You」や「Perfect」などのヒット曲で世界の音楽シーンを席巻したエド・シーラン。中国でも、もちろん大人気。「老板」は中国語で「ボス」「社長」という意味ですが、実はこの言葉とエドとの間に直接的な関係はありません。かつてエドが無名だった時期に、中国の映像共有サイトで、彼の曲をひたすらアップし続けた熱心なファンがいました。そのファンのアカウント名こそが「黄老板」だったのです。その読みやすさから、転じてエドの愛称として定着したそうです。「黄」はエドの髪の色から来ているという話もあります。
开花(kāi huā)
本名:オーランド・ブルーム/奥兰多•布鲁姆(英俳優)
イギリス出身の俳優、オーランド・ブルームは、デビュー当初『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのレゴラス役を好演したことから「精霊王子」(レゴラスの中国訳名)として中国で親しまれていました。近年は様々な作品に出演し、「精霊王子」としてのイメージがだんだん薄れてきて、「开花」と呼ばれるようになっています。「开花(開花)」は文字通り「花が咲く」という意味で、名字の「ブルーム(Bloom)」を表しています。中国の田舎の女性の名前を思わせるような愛称で、なんだか親近感がわいてきます。彼は昨年、上海を舞台にした米中合作映画『S.M.A.R.T CHASE(中国題:極致追撃)』に出演し、中国進出にも意欲的な姿勢を見せています。(ミン・イヒョウ、謙)