北京
PM2.577
23/19
キーワード①
【刻板印象】(kèbǎn yìnxiàng)[名] ステレオタイプ
元は社会学や政治学の用語で、一定の社会的現象について、ある集団内で共通に受入れられている単純化された固定的な概念やイメージを表わす言葉です。
「刻板印象」は、複雑な事象をシンプルに説明するには役立ちますが、多くの場合、極度な単純化や歪曲化の危険を伴い、偏見や差別に繋がることもあります。
例えば、「日本人」といえば大男子主义(亭主関白)とか、「全部の部屋が畳」と思っている人はまだ中国には多く、「日本人は絶対こうなんだ」という先入観をもっている人たちがかなりの数存在するのも事実で、日本に旅行で訪れ、そのイメージの違いに驚く人の多いことは、みなさんもニュースなどでご存知のことと思います。
こうした現象は中国人に対しても存在します。よく外国人が抱きがちなのは、「中国人全員がカンフーや卓球がで上手」、「四つ足のあるものはテーブルやいす以外全部食べる」、「中国人はパンダを飼おうと思えば飼える」などなど、30年くらい前の映画で焼き付けられたイメージの歪曲されたものが多いのが特徴です。
こうした国同士だけでなく、国内の各地域に対しても「刻板印象」を持つケースがあります。「上海の人は外国に媚びて計算高い」というものや、「北京の人は怠け者でメンツばかり気にする」というもの、他にも「東北の人はヤクザっぽくて大ぼら吹き」とか、「四川の人は麻雀好きで毎日「火鍋」を食べる」なんていうのもあれば、「広東の人は何でも食べる」というのも固定観念として(ジョークも含めて)根強く残っています。
また、地域や国の間だけなく、異なる業界や年齢層などにもこうした現象は存在します。
意味の近い言葉に「偏见(偏見)」や、最近あまり聞かなくなった「有色眼镜(色眼鏡)」があります。人に対して偏見を持つことを過去には「戴有色眼镜看人(色メガネをかけて人を判断する)」という言い方で表現したものです(今でもたまに耳にします)。
ですが、最近はよく耳にするのはこの「刻板印象」の方で、「打破刻板印象(思い込みを打破する)」、「颠覆刻板印象(固定観念を覆す)」、「改变刻板印象(先入観を改める)」などの表現があります。
情報の入手経路が増えている時代、頻繁にインターネットや新聞雑誌を通じて最新情報に触れる必要があります。でないと、時代に乗り遅れてしまうことになります。特に中国の変化の激しさを考えると、頻繁にチェックする必要があると言えるでしょう。
キーワード②
【碎片化】(suìpiànhuà)[名]フラグメンテーション、断片化、多元化
文脈から、「多元化」と訳す場合もある。
本来はIT用語でした。コンピューターのメモリーの中で、利用しているデータがわずかな未使用領域を挟んで点在し、連続した未使用領域が大きく確保できなくなり、パフォーマンスが低下する状態をさします。普通「デフラグ」という機能や、ディスクユーティリティで解決を試みます。
社会学用語として、まとまった塊の事象について、それをぶつ切りにして、あるところだけを強調したり、面白おかしく脚色するような行為をさします。多数の部分が有機的に関連をもって成り立っている社会的現実やさまざまな社会的事象から、部分を切りとり、断片化することで、全く違う結果をひきだすことを意味しています。
また、これに関連して、最近よく聞く単語に「碎片化时代(断片化された時代)」があります。そこにはまず社会階層の「碎片化」があって、それがメディア産業の「碎片化」を生み出したとも言われています。メディアにおける「碎片化」とは、加工のしやすい部分だけ引っ張り出して来て報道するところが増えていることを意味しています。この現象はどこの国でもあるようですが、誰かに不利な事を報道したいという意図がはっきりしている場合、背後にある一貫したストーリーを無視し、ネガティブな部分だけを誇張するケースも多く見られます。このほうが視聴率や売上を稼げるからと言うのが原因のようです。
ですが、最近はこういうITや社会学的な使われ方よりも、もっと一般化しており、他のところで沢山使われるようになっています。例えば、仕事とか時間とかがバラバラになっていて、それをどう利用するか、というような話題で使われます。便利な世の中ですが、便利なだけに、「碎片化」された時間の合理的な利用法を考える必要が意識されるようになっています。