北京
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2017年に、人工知能(AI)の分野は最も早いスピードで発展し、世界中で注目される技術となりました。高度成長を遂げる中国において、かつてSF映画の中にしか存在しなかった人工知能の技術が、今や現実の研究室で見かけるようになり、更には技術革新、産業のグレードアップ、社会の進歩を推し進める巨大な動力となりつつあります。
広東省東莞市麻涌鎮の京東物流華南ロボット仕分けセンターでは、人工知能を搭載した300台の仕分けロボットが、1200平方メートルの作業スペースでの荷物の取り出し、スキャニング、運搬・発送を秩序よく行っています。ここでは人工知能を搭載したロボットの投入によって、作業効率と正確性が大きく向上しています。同センターの能力向上グループ責任者である莫健敏氏は、「荷物にはそれぞれバーコードがあり、ロボットはそれを読み取ることで、どこに発送するものかを認識している」と紹介しています。
以前は、作業員がバーコードの番号を肉眼で見分け、配送先のルートに荷物を運ぶというやり方をとっていましたが、効率が悪く、ミスも多かったということです。この作業に人工知能搭載型のロボットを投入したことで、こういったデメリットは最小限に抑えることができたとしています。現在、1日の仕分け量は4~5万件で、最も多い場合は1時間あたり12000件に上り、その効率は人間の3~4倍に達し、100%の正確性を持ち合わせているということです。
人工知能技術の絶え間ない向上と、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、IoTといった関連産業の共同発展に伴い、中国の人工知能産業はブレイクスルーの時期に差し掛かり、多くの新商品、新サービスが出現する一方で、人工知能と既存の伝統産業の融合発展が、各業界の効率を大きく向上させ、経済の転換とグレードアップを推し進め、中国のイノベーション発展の新たな動力となっています。
世界最大のコンサルティング、情報技術、ビジネス・プロセス・アウトソーシングのグローバル企業である「アクセンチュア」で、大中華圏情報技術サービスの総裁を務める陳笑冰氏は、人工知能が中国経済にもたらす牽引的な役割を非常に評価し、「我々の予測では、人工知能の活用によって、2035年に中国は7兆1000億ドルの増収が見込める」と示しています。
中国の人工知能の研究には、ソフトウェア面だけでなく、ハードウェア面でも大きなブレイクスルーがあります。2017年11月初旬、中国科学院がインキュベーションする寒武紀科技公司が3つの人工知能チップを発表しました。このチップは、グーグル・ディープマインド社によって開発されたコンピュータ囲碁プログラム「AlphaGo(アルファ碁)」に似たディープラーニング技術を採用したもので、画像の識別、セキュリティ、自動運転、無人機、音声識別、言語処理など人工知能の重点応用分野を幅広くカバーしています。
過去20年、インターネットの発展が情報の交換をスムーズにさせてきました。今後、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、IoTなどの技術が成熟するにつれ、人と様々な物質の連結が可能になるとされています。中でも、人工知能はディープラーニングを通して積極的な交流の役割を果たし、煩雑な労働から人々を解放するほか、生産効率を大幅に引き上げることができます。(RYU、謙)
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