北京
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テイラー・スウィフト、ベネディクト・カンバーバッチ、トム・ヒドルストン・・・ちょっとした言動で世の中を騒がせる芸能界のビッグネームの数々。しかし、そんな海外セレブたちの「ちょっと長い」名前に戸惑うこと、ありませんか?それが中国語になるとなおさら、「泰勒・斯威夫特」、「本尼迪克特・康伯巴奇」、「湯姆・希徳勒斯頓」・・・漢字の表記に一目見ただけで「面倒くさい!」と思う人も多いことでしょう。彼らのことを呼びやすく、覚えやすくするため、中国ではいまファンが心を込めて名づけた中国語の愛称が定着し、ユニークな中国語現象にまで発展しています。外国のセレブたちは中国でどんな愛称で呼ばれているのか?このシリーズで一挙大公開!理由を聞けば頷いてしまうこと間違いなしの様々な「ニックネーム」は、話のネタに使えるだけでなく、中国人の深層心理や世相など中国の「今」を理解する鍵にもなることでしょう!
脸叔(lian shu)
本名:コリン・ファース/科林・费斯(英俳優)
筆者がこの愛称を初めて聞いたときは、「脸书(lian shu)」=Facebookのことだと勘違いしてしまいました。それはさておき、この直訳で「顔のおじさん」というのは英国俳優、コリン・ファースの愛称。まずは、大きめな印象の顔がご本人の特徴ということでしょう。もちろん、カッコいい顔としても印象的です。また、苗字である「ファース」の発音が英語の「フェース」(顔)に似ているということも由来の一つであるそうです。顔を特徴にしてきたコリン・ファースは、実際はなかなかの演技派。2010年には『英国王のスピーチ』でイギリス王ジョージ6世を演じ、第68回ゴールデングローブ賞主演男優賞、2年連続で英国アカデミー賞主演男優賞、更にアカデミー主演男優賞を受賞しました。タロン・エガートンらと共演したアクションシリーズ『キングスマン』も今年、第2弾が封切られ、全世界で大ヒットを記録しています。
蛋蛋(dan dan)
本名:タロン・エガートン/塔伦·埃哲顿(英俳優)
「蛋蛋(dan dan)」とは卵やボール状のものの可愛らしい中国語表現。この愛称を見るだけで、英俳優、タロン・エガートンのイメージがよく伝わっていますが、実は苗字のエガートン(Egerton)が英語の「Egg(卵)」に聞こえたことがきっかけで、中国のファンにこの愛称をつけられました。色白の肌がつるつるでいつも丸い顔をしたタロンにぴったりの愛称ではないでしょうか。2011年に俳優デビューを果たした彼は、2014年に『キングスマン』でコリン・ファースと共演し、引き続き続編である『キングスマン: ゴールデン・サークル』でも主演を務め、世界的に注目を浴びている若手の一人です。彼自身、『キングスマン: ゴールデン・サークル』のキャンペーンで中国を訪れたとき、この中国の愛称が気に入っていると告白しています。
钱婆(qian po)
本名:ケシャ/凯莎(米歌手)
シングル「ティック・トック」が全世界で大ヒットした米女性歌手のケシャ。短くて覚えやすい名前かと思いきや、特徴が無さ過ぎてかえって覚えられないということから、短い名前ながら愛称が必要になりました。米の公式アーティスト名「Ke$ha」に「$」が入っているため、「钱婆(qian po)」(お金の女の子)になったそうです。「钱妞(qian niu)」という人もいますが、「婆」も「妞」も「女の子」の俗っぽい言い方です。今でこそ「お金の女の子」ですが、彼女は小さい頃、生活保護に頼らざるを得ない経済的に苦しい家庭に育ったのだそうです。(ミン・イヒョウ、謙)