北京
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12月7日は二十四節気の大雪で、これは仲冬に入ることを意味します。間もなく、ディズニーのアニメ映画「花木蘭(ムーラン)」の実写版の撮影が始まり、様々なメディアから注目されています。花木蘭にはいったいどんな魅力があって、なぜ国内外を問わず、多くの人を引き付けるのでしょうか?今回の中国メロディーは花木蘭の魅力を探してみましょう。
女性ヒーロー・花木蘭
花木蘭は中国古代の女性の英雄です。彼女が病気の父に代わり、男装して軍隊を従えて侵略者と戦う物語は広く伝えられ、中国史上でも屈指の女性将軍となりました。
男尊女卑の封建社会では女性が頭角を現すことは非常に珍しく、当時の女性はあまり出かけず、毎日家事をして、子供の世話に専念していました。ところが、花木蘭はそんな男性社会で、普通の男性でも達成できないことをやり遂げました。これはイギリスとフランスの百年戦争で、多くのフランスの勇士を率いて、イギリス軍と戦った女性・ジャンヌダルクと肩を並べる女性ヒーローと言えるでしょう。
叙事詩「ムーランの詩」
花木蘭(ムーラン)はそもそも南北朝時代の叙事詩「木蘭辞(ムーランの詩)」の中に出てきました。当時、北魏の孝文帝が改革を行ったところ、庶民の生活が安定するようになりましたが、北方の遊牧民族・柔然族はしばしば南下して辺境の人たちの生活を搔き乱しました。北魏政権は家庭ごとに一人の男子を差し出させ、入隊することを命じました。花木蘭(ムーラン)の父は高齢で、弟はまだ幼かったため、小さい頃から父と武道を練習してきた花木蘭(ムーラン)は父に代わって、男装して従軍することを決意しました。
叙事詩「ムーランの詩」では、入隊した後、花木蘭(ムーラン)が戦場で勲功を立て、百戦錬磨の将軍になる様子を次のように描きました。「万里赴戎机,关山度若飞。朔气传金柝,寒光照铁衣。将军百战死,壮士十年归(万里の果ての戦場に赴き、関所の山を苦しみながらも越えた。北方の冷気に銅鑼と拍子木の音が響き、寒々とした月光が鎧を照らし出す。将軍は百戦の末に死に、雄々しい娘は十年ののちに帰ってきた)」 この「ムーランの詩」という叙事詩は今でも広く伝えられています。中国の学校の国語の教科書に採用され、ほぼすべての小・中学生はこの詩を読んだことがあるほどです。
ムーランが伝える中国文化
中国では花木蘭(ムーラン)は勇敢と優しさの象徴で、彼女のエピソードをモチーフにした詩歌や戯曲・小説は1000年経った今でも広く伝えられています。1998年にディズニーのアニメ映画「ムーラン」が世界で公開されるのに伴って、花木蘭(ムーラン)は益々多くの人々の心を掴み、さらに中国の伝統文化の魅力を世界に伝えています。
番組の中でお送りした曲
1曲目 木蘭情(ムーランの哀愁)
この歌は2009年に公開された映画「ムーラン」のエンディングテーマです。
歌詞:
私は空に飛び回る雲を見て
私はもうもうとほこりを立てる戦場で
一粒の涙が生まれたのが聞こえた
ここは誰の砂漠だろう
私は自分が誰なのかを忘れてしまった
2曲目 木蘭香(木蘭の香り)
この歌は戦場から帰って、女性の服装に戻ったムーランが恋人を偲ぶ気持を描いています。
歌詞:
花をひとりで開かせないで
あなたがいる過去を忘れられない
窓の前にある木蘭の香りを嗅いだ
どの家の娘が再び赤く装うのだろう
3曲目 オペラ「木蘭詩篇(ムーランの詩)」
オペラ「木蘭詩篇(ムーランの詩)」はムーランの物語をモチーフにしたもので、歌手の雷佳と谭晶がムーラン役を担当し、中国の伝統文化と西洋音楽の交響楽を融合させた作品です。