北京
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中日間の文化交流の促進、若者同士の友情と理解の増進を目的とする「中日大学生金秋音楽会」が27日夜、北京・頤和園付近の国際関係学院で開かれました。河合楽器製作所提供のフルコンサートグランドピアノ(SK-EX)を中心に、中日両国の演奏家、学生芸術団の団員らが約1時間にわたり、ハーモニーで心の交流を図るステージを共に作りました。主催は中国人民対外友好協会、中国日本協会、国際関係学院、河合楽器製作所。中国人民大学、北京外国語大学などの中国人学生や日本人留学生らも会場に駆けつけ、800人を収容するホールは来場者の熱気に包まれました。
演奏に先立ち、国際関係学院の李家興副学長は「習近平総書記は中国共産党第19回代表大会の報告で、文明の多様性の尊重、諸外国との人的・文化交流の強化に言及していた。国交正常化45周年を迎えた両国は、民間友好の伝統を発揚し、各種文化イベントの開催を通じて、両国国民とりわけ学生同士の交流の輪をこれまで以上に拡げて、理解と友情を深めていく必要がある」とコンサートに込めた思いを述べました。
李家興副総長 金子和裕副社長
続いて登壇した河合楽器製作所の金子和裕副社長は、「小さな黒いピアノは中日の友好関係を築く小さな役割が果たせる。若い世代の皆さんの友情がより深まることによって、これからの中日友好が深まるものと信じている」と挨拶しました。そして、「当社のピアノの音色を聞きながら、ぜひ日本に来ていただきたい」と笑顔で呼びかけました。
国際関係学院陽光芸術団のパフォーマンス。
左は「Vocal Strike」によるアカペラの熱唱、右はチェロとピアノの二重奏「鴻雁」
コンサートでは、河合音楽教室ピアノ講師の金近智美、同社スタッフの肖静怡、栾溯らが平井康三郎編曲の「幻想曲さくらさくら」、ベートーヴェンのピアノソナタ「月光」、広東音楽に基づいて編曲された「彩雲追月」などをそれぞれソロで演奏。フィナーレを飾った連弾では、ブラームスの「ハンガリー舞曲第五番」、ピアソラの「リベル・タンゴ」が演奏されました。また、同大学からは在学生や学生芸術団のメンバーらも登壇し、チェロとピアノによるモンゴル族の調べ「鴻雁」、学生が自ら編曲したアカペラ曲を披露しました。どの演目も熟練した演奏が披露され、毎回、熱く大きな拍手が沸き起こりました。
フィナーレを飾った連弾のシーン。左は金近智美&栾溯、右は金近智美&肖静怡
今回のコンサートで使われたグランドピアノは、中日友好協会が今年9月8日に人民大会堂金色ホールで「中日国交正常化45周年記念レセプション」を行った際、冒頭の演奏に使われ、中日友好の重要な一幕で活躍したピアノです。
「鴻雁」でチェロを担当した陸錦昊さん(公共管理学部1年)は「このコンサートは普通のコンサートではなく、何よりも中日文化交流の一環として開催されたものでもある。入学早々、この有意義なイベントに参加できてとても嬉しい」と感想を述べました。
全ての演奏の終了後、中日友好協会の程海波副秘書長がステージに上がり、学生たちにクラシック音楽をはじめ、文化的素養を深めると同時に、中日友好に対する理解を深めながら充実した学生生活を送るよう激励しました。
なお、河合楽器製作所は2014年8月に中国日本友好協会との提携で「河合音楽教育・中日友好基金」を設立し、年2回ピアノコンサートを中国で開催してきたのに続き、2016年12月には、宋慶齢基金会と提携して河合音楽特別公益基金を設置し、中国における音楽教育や、音楽を通じた文化交流、友好増進の社会貢献活動にも尽力しています。(取材:王小燕、星和明)