北方の秋

　秋たけなわの北京は今、紅葉シーズンを迎えています。紅葉見物は北方の秋の最もロマンチックなことと言えるでしょう。今回の中国メロディーは北方の秋をテーマに音楽をご紹介します。

秋の色彩

　北方の秋は彩り豊かな季節で、真っ青な空、金色に煌めく銀杏やもみじなど、鮮やかな紅葉は広々とした北方の大地に成熟した色彩をもたらします。そして、北風が黄色い葉を散らすと、花や草は大地の奥に隠れ、見渡す限り一面の金色の世界になります。

　この時期の山登りは、朝日と夕焼けが秋の背景と一体となる、例えようのないほど美しい景色を楽しむことができます。こんな風景を眺めていると、自然が作り上げる匠の技に感嘆せざるを得ません。ここには春のような生気溢れる新緑と夏のような鮮やかな色彩はなく、また冬のような万物を静寂に取り戻す純白さもありませんが、北方の秋を代表する趣を感じさせます。

秋の落葉

　毎年、秋になると、私は数枚の綺麗な落葉を集めて、しおりにします。私はこれらの綺麗なしおりを今でもとても大事にしています。なぜならその中には、たくさんの素敵な思い出が詰まっているからです。

　落ち葉のしおりを見ていると、学生時代の放課後、いつも友達と落葉が敷き詰められた並木道を通って家に帰る様子を思い出します。黄色や赤い落葉を踏むとサクサクと音を立て、まるで秋のざわめきのようです。この声は、落葉たちのためいきではなく、生まれ変わることを喜んでいるように私の耳に届いてきました。落葉たちは来年も、再び咲き誇るための準備をしているのかもしれません。

番組の中でお送りした曲

　1曲目　秋去秋来（秋が去り、秋が来る）

　この歌は広東語で歌ったもので、過ぎ去った歳月を懐かしく思う気持ちを表しました。

　歌詞：

　赤々と黄色い蝶が私の窓に伴う

　遠いところへ飛んでいくあなた 寒くないのだろうか

　涼しい秋がまた来る　憂いに満ちる秋

　あなたへの思いを知っているの？

　2曲目　眷恋（追憶）

　歌詞：

　落葉が風の中に舞い

　あの懐かしむ気持ちを知っているのだろうか　　

　僕は秋が大好きだ

　君と出会う季節