北京
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「中国共産党第19回全国代表大会の円満な成功を祈る。習近平総書記には引き続き中国共産党を率いて、世界の平和と発展に新たな貢献をしてほしい」
そう述べたのは、家族と共に50回目の中国訪問で北京を訪れたCRIリスナー・神宮寺敬さん(97歳)です。
(左)神宮寺敬さん (右)長女・敬子さん、次女・伸子さんと共に訪中
神宮寺敬さんは1920年2月に甲府市に生まれ、1941年に徴兵され入隊。侵略軍の一員として東南アジアの戦場を経て、のちに通信兵として中国安徽省蕪湖、江蘇省南京などに駐屯。1945年8月、上海で敗戦を迎え、翌年1月に日本に引き揚げました。帰国後、組合運動のリーダーを経て、1950年代始めから北京放送(現CRI)の日本語番組を聴き始めるようになり、それと同時に、中国が発行する日本語月刊誌『人民中国』の購読を始め、現在に至っています。神宮寺さんは侵略戦争への深い反省と謝罪の気持ちを生涯忘れることなく、中日友好事業にライフワークとして取り組むことを決意し、活動を続けてきました。
北京の友人たちと友情を語るため、神宮寺さん夫妻は1986年から、毎年秋に北京を訪れています。10月9日から15日までの今回の訪中は、折しも中国共産党第19回全国代表大会の開催直前で、日本国内でも衆議院総選挙を控えており、いずれの国にとっても、今後の発展方向に影響する重要な時期に重なっています。目下の東アジアと世界情勢を鑑み、神宮寺さんは、「平和」こそ今の自分が最も関心を寄せている課題だと言います。
これについて神宮寺さんは「戦争が人々の心にどれだけ深い傷を与えるのか、戦争経験者としてそれは痛いほど感じている。今、東アジアや世界を取り巻く情勢に不安な要素もあるが、何があっても戦争は二度と起こしてはならない。特に、日本と中国は引っ越すことのできない隣国であり、両国の友好は東アジアと世界の平和にとっても極めて重要な意義がある。中国では間もなく中国共産党第19回全国代表が開催されるが、大会の成功を心から願っており、習近平総書記にはこれからも権力をしっかり握り、中国を率いて世界の平和と発展に新たな貢献をしてほしい。日本では、平和憲法がしっかりと守られてほしい。そして、双方の指導者が今後も若者の交流を推し進め、平和な時代が続くよう共に努力するよう願っている」と話しました。 (王小燕)