北京
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交流会を主宰する田勢康弘さん
国務院報道弁公室と日中ジャーナリスト交流会実行委員会が共同で主催し、上海市人民政府新聞弁公室の協力の下に、2日間にわたって開催された第12回中日ジャーナリスト交流会が12日、上海交通大學で閉幕しました。今回の交流会には、両国から約40名のジャーナリストが参加しました。
日本側の司会を務めた、政治ジャーナリストの田勢康弘氏は閉幕レセプションであいさつした際、今回の交流会について「10年の歴史の中で、最もエポックメーキングな会議となった」と高く評価しました。
田勢氏は、前回の上海大会が行われた2年前と比較しながら、中国の生活面でのイノベーションや、経済問題の大きな変化について感想を述べた上で、交流会の4つのセッションに対する個人的な見解を掘り下げて紹介しました。
第1セッションのテーマ「メディアが手を携えて両国の実質的協力を促進」について田勢氏は、「相手国との違いを理解した上で、いかに相手国の良い面を自国民に伝えるか。相手国から何を学ぶか。過去11回の会議であまりなかった議論だ。この10年間で中国が驚くべき発展と変化を遂げた一方で、第3位の経済大国に転落した日本は様々な点で自信を失いかけている。こういう時こそ相手国から学ぶべき点は学ぶという謙虚な姿勢が求められている」と話しました。
第2セッションのテーマであった「高齢化社会のチャンスと挑戦」については、「すでに高齢化社会に入って様々な問題が生じている日本と、これから少子高齢化の問題に直面する中国について意見が交わされた」と振り返り、「介護問題の実態を踏まえ、中国には日本の経験をぜひ参考にしてほしい」と述べました。
「メディアは如何に両国青年を助けて理解を深めるか」がテーマの第3セッションについては、「現在、それぞれの国民の8割が相手国を嫌っており、その最大の理由はメディアの報道の影響であるとの指摘があった。一方で、若者は柔軟であり、実際に自分の目で見て考える人たちを思えばそれほど心配することもないのではとの意見も出た。中には、若者が交流するためには、共通の関心のあるテーマ、恋愛や夢といったテーマで語り合うことも良いだろうとの意見もあった」と紹介しました。
最後の第4セッションについて、田勢氏は「『科学技術イノベーションと人材育成』をテーマに、技術の進歩が中国にもたらした影響を中心に議論が交わされた。人工知能(AI)時代の人材をどう育成するか、起業家をどう育成するか。この議論では中国の優位は明らかで、イノベーションでの日本の出遅れを感じさせられた」と話しました。