北京
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9月の北京の空は高く、空気は爽やかで、朝晩の涼しいそよ風が秋の気配を感じさせます。今回も前回に続き、女性歌手・譚晶の音楽道と音楽作品をお伝えします。
歩み続ける音楽の道
今年40歳の譚晶は中国音楽界の実力派歌手で、ポップミュージック、民謡、西洋声楽のいずれにも造詣が深い女性です。音楽の道で絶えず探求し続ける彼女は、いつも観客たちに新しいサプライズをもたらし、この素朴でありながら力強い山西省出身の歌手には、誰にも想像がつかない果てしないパワーがあります。
1998年に中国音楽学院を卒業した後、譚晶は中国人民解放軍総政治部歌舞団に入団し、人民解放軍専属歌手として活躍しました。また、2000年から5年連続して、CCTVの年越し番組「春節の夕べ」に登場し、音楽界の注目を浴び始めます。しかし、譚晶は音楽の道の歩みを止めることなく、中国人民解放軍音楽学院で学び、中国のポップミュージックで初の修士号を獲得しました。
仮面歌手「アバター妹」
2016年、譚晶の音楽活動がさらなる進化を見せました。江蘇省衛星テレビの人気番組「仮面歌手、当てて見て」の中で彼女は素性を隠して、「アバター妹」という名前を名乗って参加し、再び全国の観客たちの注目を浴びました。
「アバター妹」の登場は番組最大の謎となっていました。彼女がロックの「海闊天空(遥かなる夢に)」を披露した時、その気迫に満ちた歌声はまさにロックの女王のようで、一方、フォークソングの「バイカル湖」を歌った時、その哀愁と叙情感漂う歌声はフォーク歌手の繊細な感情をうまく表現していました。また、インドの歌「ジーミ」を歌った時は、その情熱あふれる歌声がシンセサイザーと融合し、ポップミュージックの魅力を巧みに表現しました。さらに浙江省の地方劇・越劇を歌った時には、観客たちにその地方劇が持つ素晴らしい歌唱力を届けました。どんなジャンルもマルチにこなす非凡な才能は、全国の観客たちを驚嘆させました。『「アバター妹」はいったい誰なのだろう』と探ることが当時の音楽界の話題となりました。
「歌声は歌手の思いを伝える唯一の道」
2016年12月、人気番組「仮面歌手、当てて見て」はいよいよ最終回を迎え、謎に包まれた「アバター妹」がようやくその仮面を外す時がきました。最後の歌・蒙古族の民謡「苍狼大地」では、最初に馬頭琴、羊の皮の太鼓など、蒙古族の民族楽器の深く沈んだ音色が観客たちを果てしなく物寂しいモンゴル草原へ誘いました。そして、「アバター妹」の高らかな歌声はまるで草原の奥から呼びかける歌声のようで、草原の内なる力を最高に表現し、その驚くべき歌唱力もすべての観客たちを魅了しました。歌が終わると、観客たちの拍手は鳴り響き、この時、ついに「アバター妹」は仮面を外し、3カ月にわたる謎がようやく明らかになりました。「アバター妹」の正体が譚晶だったことにみんな驚きを隠せませんでした。
仮面を外した譚晶は「私はこの舞台が大好きで、この舞台ですべての歌手が今までの知名度や地位を捨てて、歌声で観客たちと心の交流を行うことができる。この舞台で歌声こそが歌手の思いを伝える唯一の道となり、この舞台で勇敢に立ち向かうことは歌手が前進する原動力になる」と話しました。
番組の中でお送りした曲
1曲目 遠情(あの遠いところ)
この歌はテレビドラマ「喬家大院(喬家の一族)」の主題歌で明と清の時代、中国経済界に大きな影響を及ぼした山西商人たちが故郷、恋人を離れて、艱難辛苦に耐え慣れない土地で奮闘する物語を描いています。山西民謡の特色に富んだ前奏の中に、故郷を離れ、遠いところへ赴くキャラバンや商人たちがそろばんの玉を弾く音、山西省の風情ある赤い灯篭など、観客たちをその時代の山西省へ誘い、譚晶の表情豊かな歌声は山西商人の悲しみと喜びを生き生きと表現しました。
歌词:
人生は短くて苦しい
じっくり考えられずに過ぎていった
繁栄はまるで一瞬の夢のよう
世間の人々が空回りするにすぎない
2曲目 一样的月光(同じ月の光)
この歌は譚晶が人気番組「仮面歌手、当ててみて」の中で歌ったものです。
歌詞:
いつの間にか蛙と蝉の鳴き声が記憶になり
いつの間にか故郷は混雑するようになるのか
至る所に高層ビルが立ち並び
沈んだ大地は静かな夜に黙って泣いている
同じ月の光 同じ冬 同じあなたと私
3曲目 苍狼大地(青々とした大地)
歌詞:
太陽は南北の回帰線の間に行っては戻る
牧人は温帯の草原をぶらついている
遊牧民は大陸の主人だと聞いたことがあるけれど
あなたは今どこにいるのか
駿馬はその主人を失い
猟犬はその駿馬を失う
青々とした草原は黄砂に覆われている
美しい草原はどれほど寂しいのだろう