北京
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7月も下旬になり、北京は毎日厳しい暑さが続いています。猛暑で疲れた身体を癒すため、先週、1週間の休暇を取って内蒙古自治区のフルンボイル草原を訪れました。今回と次回の中国メロディーは二回に分けて美しいフルンボイル草原の風景と音楽をご紹介しましょう。
最も美しい草原
フルンボイル草原は中国最北部に位置し、モンゴルやロシアに隣接する広くて平らな草原で、中国で最も美しい草原と呼ばれています。特に7月末の草原は水と草が豊かです。私たちが車で草原に入ると、高速道路の両側には見渡す限りの緑の海が目に飛び込んできました。
そして、果てしなく広い空の果てを見ると地平線で天と地が一つに繋がり、緑の草原が青空の胸に抱かれているようでした。この時、北朝時代の漢詩「勅勒の歌」の「天は穹廬に似て 四野を籠蓋す」という壮大な風景を表現した詩句が思い浮かびました。
表情豊かな雲
今まで数えきれない詩人がフルンボイル草原の美しさを讃えていますが、特に私は目の前に広がるフルンボイル草原の雲が美しいと感じました。北緯50度の位置にあるため、草原の空気はとても澄んでいて、空にとても近く、目の前の雲はすぐに触れられそうなほどです。そんな白い雲と青空の出会いが美しい草原の風景を生み出しています。
また、フルンボイル草原の雲の姿は様々で、色んな表情を見せてくれます。浜に打ち寄せる白波(しらなみ)、草原で静かに眠る羊の群れ、青い海の中を果敢に進むヨット、翼を広げて大空を飛んでいる天馬のようにも見えます。そんな表情豊かな雲の隙間から太陽の光が差し込み、静かな草原が煌きます。
フルンボイル草原の美しき伝説
夏のフルンボイル草原は、若草の香りとすがすがしい空気に包まれています。特に雨上がりの草原の空は雨で洗われてより澄んで真っ青になり、草原は生気に溢れています。そんなフルンボイル草原の名前の由来について、こんな悲しい恋の物語があります。
昔、草原には花も恥らうほど美しくて優しい蒙古族の少女フルンがいました。フルンは勇敢な青年ボイルと愛し合い、幸せに暮らしていました。ヒバリたちは二人に祝福の歌を歌い、羊の群れも鮮やかな花をくわえて、二人の住む白いテントの外に置き祝福しました。しかし、ある日の夜、草原の悪魔・モンコスは白いテントから美しいフルンをさらい、草原の水を吸い上げてしまいました……
番組の中でお送りした曲
1曲目 呼伦贝尔大草原(フルンボイル大草原)
この歌は蒙古族の作家・克明が作詞した歌で、克明は「フルンボイルは神様が作った天国で、この世の楽園だ」と讃えました。
歌詞:
私の心は天の果てにあり
天の果ては限りない
広大な草原は空と大地の間にある
白いテントは川のほとりに広がっている
フルンボイル大草原
白い雲が私の心に漂う
フルンボイル大草原
私が愛し 懐かしく思う場所
2曲目 套马杆
これは馬を捕らえるときに使う先端に輪がついている棒のことです。
歌詞:
馬を捕らえるあなたは威風堂々と勇ましい
駆け抜ける駿馬は風のよう
広く果てしない原野を自由にさすらう
あなたの心は大地のように広い