北京
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中国のトップ漫才師の一人である郭徳綱(グオ・ダーガン)は、漫才団体『徳雲社』の創始者としても知られています。
郭徳綱は1973年に天津に生まれ、幼少時から芸能界入りし、漫才界の大御所、常宝豊や侯耀文に弟子入りしました。漫才のほかに、京劇や評劇、河北梆子など様々な戯曲を身につけました。
1996年に北京で漫才団体『徳雲社』を創設。明代から続く大衆伝統芸能「漫才」は、1990年にはインターネットの流行などにより衰退の一途をたどっていました。そんな中、徳雲社は、「漫才の劇場回帰」と「リアルな漫才」をモットーに掲げ、漫才の復興において重要な役割を果たしていました。舞台劇やコントと漫才を融合させ、あらゆるスタイルで表現することにより、伝統色の強かった漫才はいつしか斬新なエンターテインメントして生まれ変わりました。いま、『徳雲社』は中国各地に常設劇場を持ち、その公演や全国ツアーのチケットは常に入手困難となっています。
郭徳綱率いる『徳雲社』は漫才の復興を果たすのに約10年の歳月を費やしました。初の大型単独公演を行ったのは2006年の頃で、北京や天津でも大きな話題となりました。また、2008年には北京の人民大会堂で単独公演を実現。日本の国会議事堂に当たる人民大会堂で漫才の単独公演を実施するというのは、前代未聞の出来事でした。2011年には、初の海外公演としてオーストラリア公演を実施。商業イベントとして海外で漫才公演を成功させたのも、彼らが中国初です。
いま、郭徳綱の活動は劇場漫才にとどまることなく、テレビや映画でも活躍しています。2013年には、国民が待ち望み続けた舞台、中国版紅白歌合戦とも言われる「CCTV春節聯歓晩会」に初登場。そして2016年からはリアリティ番組『歓楽喜劇人(Top Funny Comedian)』で司会を担当するようになりました。これは2015年から始まった中国初のお笑い専門番組で、プロの漫才師やコメディアンが集まってひたすら芸を披露し、視聴者の投票で優勝者を決めるというもの。新たなお笑いブームの火付け役ともいわれています。番組では郭徳綱とその息子、郭麒麟との共演も実現しました。
今年は『徳雲社』設立20周年に当たり、これを記念して郭徳綱はワールドツアーを敢行中。その一環として6月24日には「KISS FUKUOKA 2017 徳雲社ワールドツアー」を東京国際フォーラムで行いました。初の日本公演は大成功を収め、中日国交正常化45周年に花を添える公演にもなりました。