北京
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23/19
昨年11月に日本で封切られた『続・深夜食堂(中国題:深夜食堂2)』が7月18日に中国でも公開されることになりました。それを前に、本作の松岡錠司監督と主演の小林薫が上海で行われた記者発表会とファンミーティングに登場しました。
松岡錠司監督 小林薫
現在、中国では『深夜食堂』のリメイク版ドラマが放送中なため、記者陣からは同作にまつわる質問が殺到。中国社会の現実とあまりにもかけ離れた内容で不評が続いているこのリメイクドラマですが、松岡監督は「まだ見ていないが、文化によって表現も違う作品になったのでは」とコメントしました。
わずか2日間の上海訪問でありながら、中国のグルメが印象深かったという松岡監督、一番のお気に入りは「タウナギの炒め物(清炒鱔絲)」と「ポテトサラダ」だそうです。今後の『深夜食堂』に中国のグルメを取り入れるならとの質問には、「北京ダック」と答え、周囲を頷かせていました。
8年前に始まったこの人気シリーズを振り返り、主演の小林薫は「最初は小さな場所から始まって、セットがだんだん大きくなったけど、最初から伝えたい中心的な部分はずっと変わっていない」と非常に感慨深そうに語りました。今回の上海訪問は、20年ぶりの3回目という小林、「車窓ガラス越しに見たこの町をなかなか思い出せない」と、上海の変わりように驚いていました。作中では料理人として腕を振るう彼は、実は料理はあまり得意ではなく、「料理を最初から出来上がりまでやり遂げるという監督の指示にちゃんと応えられるか、自分でも疑ってしまう」と調理シーンに臨む意外な心境を語りました。『深夜食堂』が中国で注目された理由について「希望を見失ったり悩んだりするとき、深夜食堂で一歩踏み出せるという話なので、日本の人たちも中国の人たちも同じような感触を持っているのだろう」と改めて作品の深みを認識した様子でした。
梁家輝(レオン・カーフェイ)
今回の記者発表会にスペシャルゲストとして登場したのは、香港の人気俳優、梁家輝(レオン・カーフェイ)。実はレオンも『深夜食堂』ファンで、現在放送中のドラマとは別に、自らの監督と主演による映画版『深夜食堂』を中国で制作中です。壇上では、レオンが松岡錠司監督と小林薫に、「食堂」をテーマにネギでできた「花束」と上海名物「紅焼肉(豚の角煮)」のレシピを入れた書道の掛け軸をプレゼントする一幕もありました。中国版の映画『深夜食堂』は来年公開される予定です。(ミン・イヒョウ、謙)