北京
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著しい経済発展を遂げているBRICS5カ国のブラジル、ロシア、インド、中国と南アフリカ。5カ国間は経済連携だけでなく、昨年から文化でのつながりも強化する動きがあります。それが、5カ国の映画作品をまとめて紹介するBRICS映画祭。2016年にインドで初開催され、大きな注目を集めましたが、今年は6月23日から27日にかけて、2回目となる同映画祭が中国四川省の成都市で開催されることが決まりました。
今年はBRICS5カ国から30本以上が出品され、開会式と閉会式のほかに、映画フォーラムや「国家テーマデー」などのイベントも予定されています。また、5カ国を代表する5人の監督が共同でメガホンを取る5カ国合作映画『時間去哪児了』が会期中に初公開されることになりました。中国からは賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督がこの映画の制作に参加するほか、中国の名監督、謝飛(シエ・フェイ)が今回の映画祭審査委員会の議長を務めることも明らかになりました。
今年はBRICSの「中国年」に当たり、中国は議長国も務めているため、この9月にアモイで第9回BRICS首脳会合も予定されており、6月のBRICS映画祭は首脳会合の先行行事としても注目されています。映画祭ではコンペティション部門も設けられており、5カ国の優秀作品は、最優秀作品賞、監督賞、男優・女優賞、審査委員会特別賞などをめぐって競い合うことになります。
5カ国合作映画『時間去哪児了』は、中国の賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督、ブラジルのウォルター・サレス監督、ロシアのアレクセイ・フェドルチェンコ監督、南アフリカのジャミルX.T.クベカ監督とインドのマドゥル・バンダールカル監督によるもので、5カ国を代表する名監督の強力タッグから生まれる名作として期待されています。同作品の制作計画は5カ国の首脳が2016年にインドで会合した際に決定しました。
記者会見に出席する賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督
このほど行われた2017年BRICS映画祭の記者発表会には、賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督も駆けつけ挨拶しました。5カ国合作映画『時間去哪児了』について、ジャ監督は「実話に基づいて5人の主人公を描いたオムニバス映画だが、最終的に5つの物語が一つに合流する形になる。急成長を遂げているBRICS5カ国は似通う部分があり、同じく大きな課題に直面している。この映画を通してこういった現実を伝えたい。5カ国の監督が知恵を共有し、お互いのぶつかり合いも面白いのではないか」とした上で、「同作の制作費は中国の投資がメインになっており、国際化と多元化を遂げている中国映画界の最新動向を示すものにもなる」と述べました。
また、ジャ監督は自身の映画計画について、山西省を舞台に2人目の子供の出産を許される中国の新計画出産政策にフォーカスしたショートムービー『逢春』を制作中だと発表しました。
(ミン・イヒョウ、謙)