北京
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春も半ばを過ぎる頃、CRIの近くの公園では牡丹や芍薬、ライラックなど様々な花が咲き乱れます。中でも牡丹は上品で美しい姿が多くの人の目を楽しませています。今回の中国メロディーはそんな牡丹をテーマに音楽をお送りしましょう。
百花の王
温かい春風が北方の大地に吹きわたり、葉っぱがそよ風にサラサラと揺れて、眠っていた様々な花を呼び覚ましました。牡丹のつぼみはまるで子供の笑顔のようで太陽に向かって咲き誇ります。牡丹はその華麗で爽やかな姿から、「百花の王」と呼ばれています。
中国では牡丹の花は「富貴」の象徴とされ、さらに国の繁栄のシンボルとされてきました。周恩来首相は「牡丹はわが国の国花で、その上品で美しい姿は中華民族が大いに栄えることを象徴する」と評価するほどです。
牡丹美人~楊貴妃
唐の皇帝・玄宗の時代のこと。ある年の晩春、皇帝が庭園で大臣たちと牡丹を楽しんでいる時、ある大臣が「ここには一日のうちに四つの色に変わる珍しい品種が植えられている。朝は真っ赤で、昼間は濃い緑色、午後は濃い黄色、そして夜にはピンク色になる」と報告しました。
翌日、玄宗は楊貴妃を連れてその珍しい牡丹を愛でていた時、名詩人・李白を呼び、詩を作らせました。このとき、李白は泥酔していたそうですが、「雲想衣裳花想容、春風払檻露華濃(雲を見れば、楊貴妃の美しい衣装が、花を見れば楊貴妃の美しい容姿が目に浮かぶ)」という詩句を作り、楊貴妃の美しさがこの世のものとは思えないほど素晴らしいと褒め称えました。この詩は牡丹と美しい楊貴妃を表現するものとして広く伝えられました。
牡丹と花児
牡丹は美しさの化身で、純潔と愛情を象徴しています。中国西北部の甘粛省では「花児」という種類の民謡が広く伝えられ、この花児というのは牡丹を指しています。そのため、男女でデュエットする時には、男性は若い女性を「牡丹」と呼びます。
毎年旧暦四月頃、色とりどりの花が咲く季節になると、甘粛省と青海省の各地ではさまざまな花児の民謡大会が行われます。各民族の人々は鮮やかな民族衣装をまとい、山の麓に集まって、お酒を飲んだり、花児を歌って競い合ったりします。そんな中、若者は好きな女性を咲いたばかりの牡丹に例えて、歌声を通して好きな人に熱烈な愛を告げます。
番組の中でお送りした曲
1曲目 大地飛歌(大地を走る歌)
この歌は中国音楽界の有名なソプラノ歌手・宋祖英が歌ったもので、その澄み切ったソプラノは多くの人々に愛されています。
歌詞:
山道を歩き 山の歌を歌う
漁の網を張り 漁の歌を歌う
牧歌を歌うほどに
牛や羊は集まり
夜空の星よりも多くなる
牡丹が咲き 花の歌を歌う
ライチが赤くなると 甘い歌を歌う
楽しい歌を歌うと 友情は長くなる
劉三姐の家の前を流れる川よりも長いものに
2曲目~清平調(せいへいちょう)
歌は李白の詩作「清平調」をモチーフにしたものです。
歌詞:
雲を見ると楊貴妃の衣装が目に浮かび、
花を見ると楊貴妃のあでやかな姿が
目に浮かぶ。
春風が沈香亭の欄干の手すりを払い、牡丹の花に降る
美しい露が、見事に輝いている。
3曲目 阿哥的白牡丹(兄さんの白い牡丹)
歌詞:
兄さんの白い牡丹よ
白い牡丹は白くて輝く
赤い牡丹は火のように赤い
彼女にはもう好きな人がいるんだよ