北京
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姜文(チアン・ウェン)は1963年河北省唐山市生まれ。1984年に中国の名俳優を輩出した名門校・中央戯劇学院を卒業したあと、舞台俳優として活動を始めます。1986年に『悲劇の皇后 ラストエンプレス(原題:末代皇后)』で映画デビュー。以降、『芙蓉鎮』や張芸謀(チャン・イーモウ)監督の『紅高梁(紅いコーリャン)』などの名作で主演を務め、世界的にも有名になり、1992年に出演した連続テレビドラマ『ニューヨークの北京人(原題:北京人在紐約)』も大ブレイクしたことで、中国を代表する俳優になりました。時代劇アクション『天地英雄(ヘブン・アンド・アース)』で日本の中井貴一と共演していることから、日本での知名度も高いことでしょう。
近年は俳優業より監督としての活躍が目立っています。作品の本数は少ないのですが、いずれも国際的に高い評価を受けています。監督デビュー作の『太陽の少年(原題:陽光燦爛的日子)』は、ヴェネチア国際映画祭で主演男優賞を受賞。そして、2作目の『鬼が来た!(原題:鬼子来了)』は中国国内で上映できなかったものの、カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞しました。監督・脚本・主演とマルチな才能を持つ中国映画界の逸材と称えられています。監督と主演を務めた2010年の作品『さらば復讐の狼たちよ(原題:譲子弾飛)』は、軍閥が割拠する1920年代の乱世を背景に、当時の中国社会を風刺画のようにユニークに映し出したことで大きな話題となり、公開当時、中国映画歴代興行収入No.1を記録しました。これをきっかけに、中国軍閥時代を題材にした映画シリーズを撮る企画をスタートさせ、3年後の2014年にはその第2弾である『弾丸と共に去りぬ -暗黒街の逃亡者-(原題:一歩之遥)』が封切られました。そして第3弾となる『侠隠』がまさに現在、西安で撮影中で、来年公開される予定です。主演には金城武と彭于晏(エディ・ポン)が名を連ねています。
そんな姜文は今年1月に公開された『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』に出演し、ハリウッドデビューも果たしました。同作品は『スター・ウォーズ』シリーズのスピンオフ作品で、期待の新シリーズ「アンソロジー」の第1弾。姜文が演じたのは初代デス・スターの設計図強奪任務に挑む反乱軍の戦闘部隊「ローグ・ワン」のアジア系メンバーです。スターウォーズ・ファンである自分の子供のためにこの仕事を受けたと話しています。