魏徳聖(ウェイ・ダーション)監督の台湾3部作プロジェクト、4月から始動

2017-09-14 09:26  CRI

魏徳聖(ウェイ・ダーション)監督の台湾3部作プロジェクト、4月から始動

 

 『海角七號(海角七号 君想う国境の南)』で一躍注目を集めた台湾の魏徳聖(ウェイ・ダーション)監督による映画プロジェクト、歴史超大作「台湾3部作」がいよいよこの4月から始動します。これは、魏監督が長年にわたって温めてきたプロジェクトで、一時は資金繰りが滞っていたことから中断されてきましたが、このほど2億元以上の投資を受け、遂に実行に移されました。ロケは台南で行われる予定で、撮影用に巨大船舶や、台湾で最古の城、熱蘭遮城(ゼーランディア城)のセットを建造中だということです。

 

 

 「台湾3部作」シリーズは『西拉雅』、『台湾』、『福爾摩莎』の3タイトルで構成され、脚本は10年前にすでに完成していたということです。3部作は連続性のある物語ではなく、台湾原住民や、中国明代の政治家・鄭成功をはじめとする漢民族、それにオランダ人といったそれぞれ異なった視点から、400年前のオランダ占領下の台湾の歴史をさかのぼるもので、3作とも独立した作品としても楽しめるとのことです。制作は2億元以上で、過去の歴史大作である『セデック・バレ(原題:賽德克‧巴萊)』を超えることになります。

 

 『海角七号 君想う、国境の南』(2008)や『セデック・バレ(原題:賽德克‧巴萊)』2部作(2010)で記録的なヒットを飛ばした魏徳聖(ウェイ・ダーション)監督ですが、近年は台湾映画市場における資金難を受けており、低コストで作られた音楽ラブストーリー『52Hz, I love you(原題:52赫兹,我愛你)』が今年1月に台湾で封切られたばかりです。

魏徳聖(ウェイ・ダーション)監督の台湾3部作プロジェクト、4月から始動

 

 タイトルの「52Hz」とは、52ヘルツの周波数で鳴く珍種の鯨のこと。ほかの鯨はより低い周波数で鳴くことでコミュニケーションを取り合っているため、この52ヘルツで鳴く鯨は仲間と交流ができず世界でもっとも孤独な鯨と言われています。映画のストーリーはこの鯨の話をモチーフに都会で生活する者の孤独と愛の喜びを描き上げた心温まる物語となっています。主演を務めるのは、宇宙人(Cosmos People)の小玉、元・棉花糖の小球(莊鵑瑛)、圖騰樂團のスミン(舒米恩)、小男孩樂團の米非と、いずれも現代台湾を代表するバンドのヴォーカリストたち。魏監督のデビュー作『海角七号 君想う、国境の南』のメインキャストもゲスト出演しています。本作はこの3月に開催される大阪アジアン映画祭にも出品されました。

 

 (ミン・イヒョウ、謙)

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