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2月18日は暦の上では雨水です。冷たい雪が温かい春の雨に変わり、大地に潤いを与える頃です。花が咲きそろう春にはまだまだ遠いですが、ここで花に関するなぞなぞから、一足早く春の息吹を感じて頂きましょう。「色んな花が咲き乱れ、それぞれ咲き競っています。そんな中、ある花は庭では咲かず、川のほとりでも咲かず、空に咲きます。ある花とは何でしょうか?」。この謎かけの答えがお分かりでしょうか。答えは花火です。今回の中国メロディーは花火にまつわる音楽をお送りしましょう。
花火と爆竹が奏でる新年の交響曲
春節のイメージといえば盛大に鳴る爆竹という人も多いでしょう。大晦日の夜に爆竹を鳴らし、ぱちぱちと爆竹の音の中で前の年に別れを告げ、新しい年を迎えます。
特に深夜12時、新年を迎えるとともに数多くの花火や爆竹が盛大に打ち上げられます。思わず目を奪われてしまうほど、煌びやかで美しい花火は広大な夜空を豪華絢爛に彩ります。花火や爆竹の音、笑い声、祝福の声などが折り重なって、情熱に溢れる交響曲を奏で、新年を華々しく迎えます。
大晦日夜の一番の楽しみ
私にとっては子供時代、春節の思い出が一番幸せだったと思っています。大晦日の夜、女の子たちが色とりどりの提灯を持って男の子の後ろにつき、男の子たちが爆竹を鳴らすのを楽しんでいました。私もウズウズして鳴らしてみたいと思いましたが、やはり恐さもあったので諦めました。
今、振り返ってみると、当時の花火は今ほどきらびやかで美しいものではありませんでしたが、子供時代の花火や爆竹を鳴らす時の興奮と喜びは、いつまで経っても比べものにならないほど素晴らしいものです。
冷めやすい花火
中国では、花火はめでたさや喜びを祝う意味がある一方、人生の喜びも愛情の幸せも花火のように華々しく輝いた後、真っ暗な闇になるという意味もあります。「烟花易冷(冷めやすい花火)」という歌はこんな恋物語を語っています。
1500年前の北魏時代、古都・洛陽の中のある将軍は、美しい女性と出会い、互いに一目ぼれして、愛し合うようになりました。しかし、間もなく将軍は辺境に派遣され、敵軍との戦いに参加することになりました。長く続いた戦乱によって、千年の歴史を持つ洛陽も廃墟と化しました。女性は出家して尼になりましたが、心はずっと将軍を待ち続けていました。しばらくして、女性を探し求めていた将軍はやっとの思いでお寺へ向かいましたが、彼女は既にこの世に別れを告げていました。将軍は寺の外で、しとしと降り続ける雨を眺めて、恋は花火のように華々しくも、冷めやすいものだと嘆きました。
番組の中でお送りした曲
1曲目 満城烟花(街中の花火)
この歌は男女のデュエット曲で、大みそかの夜に旅人が実家に帰る気持ちを歌っています。
歌詞:
雪がちらちらと舞い 世界にキスをする
町の灯火が家路を急ぐ旅人を駆り立てる
いつも花火は世の年輪を映す
再び会えるのはいつなのだろう
2曲目 烟花(花火)
歌詞:
私は花火の下で願をかける
あなたの顔を見せてほしい
黙ってただ思う
誰かの声が聞こえてくる
3曲目 烟花易冷(冷めやすい花火)
歌詞:
花火が冷めやすいように 人と人は別れやすい
君は僕に尋ねた まだ真剣なのか
何世代も先の千年後 愛の中に誰が待っているのだろう
洛陽の歴史書に刻まれる