北京
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2月の北京は立春が過ぎたとはいえ、まだ厳しい寒さが続いています。ただ寒い風と雪が降る中にも少しずつ春の息吹が感じられるようになってきました。そんな時期に、旧正月に続く最初の祝日・元宵節がやってきます。今回の中国メロディーは中国の伝統的な祝日・元宵節と音楽をお伝えましょう。
一年の始まりを感じさせる日
大晦日から2週間後の元宵節まで、中国各地は一年中で最も賑やかで、楽しい季節を祝います。街のあちこちに飾られている赤い提灯や家の門や玄関先に貼る赤い春聯、それに子供たちが鳴らす赤い爆竹など、様々な物に使われているおめでたい赤色が、人々の祝日の喜びを一層引き立てています。
しかし、故郷の団欒はあっという間に過ぎ去り、旧歴1月15日の元宵節が終わると、新しい年が始まるという実感が湧いてきます。帰省していた人たちは、再び荷物を背にして温かく楽しい思い出と新たな希望を持って新しい旅を始めます。
甘い出会いの日
元宵節は旧正月から数えて15日目で、最初の満月の日に当たります。古来ではこの日の夜に、道路や家の軒先に華やかな灯籠を灯し、人々は飾り灯篭見物に出かけるため、とても賑わったと言われています。いつもはあまり出かけない少女たちも、この日は例外として街に出て遊ぶことが許されていました。元宵節の夜、華やかな灯篭を楽しむと共に、好きな人と出会えることを多くの少年少女たちは心待ちにしていました。
宋の名詩人・辛棄疾の「青玉案・元夕」は、元宵節の夜、賑やかな街中に恋人の影を探す想いを描きました。特に「众里寻她千百度,蓦然回首,那人却在灯火阑珊处(人の海の中で百回、千回と恋人の影を探していた。ふと振り返ると彼女がいた。消えそうな薄明かりのともし火のそばにいた」という句は非常に優れた詩と評価されています。
唐代のロマンチックな日
中国では元宵節は昔から若い男女が出合う重要な舞台であり、中国のバレンタインデーと言えるかもしれません。時代劇「大明宮詞」の中で、唐の女皇帝である武則天の娘・太平姫が、恋人・薛紹と初めて出会うシーンは元宵節の夜です。
男の服を着る太平姫は、人ごみの中で姉と離れ離れになり、姉を探している時に、彼女は姉と同じ仮面を被った人を見つけました。そして、仮面を取ってみると、姉ではなく薛紹でした。しかし、薛紹は笑顔で「あなたは人違いをしましたね」と彼女に優しく言いました。薛紹の明るい笑顔と温かい言葉は、太平姫の心をドキドキさせました。このシーンは唐の時代の若い男女が、元宵節の夜にロマンチックな出会いをする場面を描いています。
番組の中でお送りした曲
1曲目 闹元宵(賑わう元宵節)
ではまずお送りするのは「闹元宵(賑わう元宵節)」です。
歌は江蘇省の民謡で、元宵節の夜に人々が色とりどりの灯篭を楽しみながら祝う様子を歌っています。
歌詞
旧正月の十五日 灯篭祭りで賑わっている
色とりどりの灯篭は華やかで
一家そろって灯篭を楽しむ
2曲目 人约黄昏后(約束は夕方)
この歌は欧陽修の有名な詩作「生查子•元夕」をモチーフにしたものです。去年の元宵節は楽しいデートをしていたのに、今年は一人になってしまった寂しさを歌っています。
歌詞:
去年の元宵節の夜
花市場の灯篭は昼のようだった
月が柳の枝の上まで登り
約束は夕方だった
今年の元宵節の夜は
月も灯篭も前と変わらない
でも去年いた人がいない
流れ出る涙を袖で拭う
3曲目 长相守(ずっと一緒に)
この歌は時代劇「大明宮詞」の挿入歌です。太平姫が恋人の薛紹と初めて出会う様子を歌っています。
歌詞:
ずっと一緒にいる
仮面の下の明るい笑顔
笑顔の中に詩が隠れている
ただ悟ることはできない
あなたは花の香りを運んでくる風のようで
無邪気な魅力にあふれている
私は花の香りに魅了される あの蜜蜂のように
あなたを愛するようになった