7月の遼寧省北部の鉄嶺市昌図県ではトウモロコシの成長振りが上々である。農家の庭には作付けされている野菜もひときわ青々としているようだ。地元の農民によると、数年前の7月は砂あらしに見舞われる季節で、洗濯物を外に出して干せばすぐに砂ぼこりで汚れてしまう。しかし、今ではすっかり様変わりした。
昌図県は遼寧省の北部で、コルチン砂漠の南端に位置している。毎年の春にはひんぱんに干ばつに見舞われ、一部の地域では種まきの季節に強風が10数回も吹く年がよくある。しかし、昌図県は遼寧省の食糧産地で、年間収穫高は17億5000キロに達している。地元の人々は、数年前までこの地は林地が少なかったため、農地は長期にわたってコルチン砂漠から吹いてくる砂あらしに侵食され、春に何回種をまいても苗を保全することができず、農業生産はますます困難な状況に陥った、と語った。
農業を守るには林業から着手。地元政府は2001年以来2000余万元を投下し、400万株あまりの木を植え、昌図県の北部に長さ100キロ、幅100ー400メートルの林地ベルトをつくり、砂漠の拡大を食い止め、100万ムー(15ムーは1ヘクタールに相当)農地を保護することに成功した。昌図県の七家子鎮には、直径が茶碗の口径ほどもあるポプラの木が砂地の上ですくすくと生長しているのが見えている。林地ベルトのお蔭で、七家子鎮の7万3000万ムーの耕地が砂漠化の脅威から抜け出している。
鉄嶺市林業局の高維仁局長は、現在、昌図県では、全長100キロの林地ベルトを中心にポプラとクスノキを混ぜた防風林が、コルチン砂漠の方からの風の通り道を141カ所遮断し、500カ所の移動砂丘と半流動砂丘を定着させ、コルチン砂漠の移動を阻止することに成功した。往時の果てしなく広がる砂漠は今日では木や草が生い茂る緑の大海原に様変わりしている、と語った。
「チャイナネット」
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