下町の「前門大街」、五輪直前にオープンした!
北京五輪開幕の前日、「北京の浅草」と呼ばれる前門あたりの商店街「前門大街」が7日、1年ぐらいの改修工事を経て、ようやくオープンしました。
「前門」の正式名称は「正陽門」で、天安門の真南にあり、北京市の中軸線に跨っています。南北に伸びる前門大街は明や清の時代から、一般庶民が集まる下町で、安売り店や老舗レストラン、演芸場など、北京一の繁華街でもあります。すでに600年以上の歴史があるこの街は「天街」や「金街」とも呼ばれ、有名な北京ダックの老舗「全聚徳」、シュウマイの老舗「都一処」などはここから発祥しました。
新しく改修された前門大街は北京最大の歩行者天国となり、一番大きな見所は北京ならではの古い町並みです。石畳の道、色鮮やかな城楼、鳥かごやでんでん太鼓の形をした街灯、道沿いの店舗などはすべて1920年代の民国時代の建築様式でした。
特に、50年ぶりに復活した北京の「ダンダン電車」(日本の「チンチン電車」と同じような感じ)は前門大街を走ってかつての雰囲気を演出します。1924年、北京はフランスの路面電車を前門通りに導入しました。走行中、車両に掛かった鈴は「ダンダン」という音をよく出しましたので、北京の人々に「ダンダン電車」と親しげに呼んでいました。
今回復活する電車には、静電気エネルギーを蓄えるウルトラ・コンデンサが搭載されましたので、ボールから電気をとる必要はありません。1両編成で運行し、いまは「前門1号」と「前門2号」の2車両あります。走行距離は845メートルで、時速は5キロ、片道で10分間かかるということです。前門大街は北京五輪のマラソンコースにも入っています。そのため、「ダンダン電車」は五輪期間中に運営しません。北京五輪が終わってから運営することになるということです。
国際大都会の歩みが進む中、北京では、ここ数年、高層ビルや現代的な建物がどんどんできる一方、古い市街区がだんだん少なくなっています。かつての雰囲気が薄れたことに残念に思っている人が多いようです。前門大街の復活によって、北京の古い町並みが再現され、外国人ばかりか、一般の中国人や北京市民にも北京の歴史や伝統文化を体験するよいきっかけになると思います。(文・撮影/劉叡琳)
五輪開幕前日、天安門広場の表情
(撮影:王小燕)
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