4月30日は北京五輪開幕の100日前です。北京市では1万人規模の市民マラソンや五輪応援会など、政府主催による大規模な祝賀イベントが行われました。
ところで、天安門広場の東北にある東四では、午前中、地元の住民たちが自ら主催した小さな祝賀イベントが行われました。
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バイリンガルでコントを演じる住民達1 |
バイリンガルでコントを演じる住民達2 |
朝9時、東四住民委員会活動センターは、鮮やかなピンク、紺色と黄色のTシャツを着た80人余りのお年寄りでいっぱいになりました。住民たちが創った中国語と英語のバイリンガル番組の披露会が行われ、出演者と観客も住民です。
17の出し物からなる披露会は1時間半にわたって行われました。
一番最初にステージに上ったのは12人の女性グループで、最も若い人が50歳、最年長の人が70歳です。彼女は、「We Are Good Friends」(私達は仲良し)という五輪をテーマにした歌をバイリンガルで合唱しました。途中、歌詞を忘れたり、英語の発音を間違ったりしていましたが、元気な歌声と役者らしいしぐさが印象に残りました。
80歳の余さんは最年長で、英語の勉強はなかなか苦手ですが、76歳の奥様と一緒に勇気を出して英語による大合唱に参加しました。
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最年少の参加者唐暁蘭ちゃん |
小学校2年生の唐暁蘭ちゃんは今年10歳という最年少の参加者であり、英語が最も上手な参加者でもあります。唐暁蘭ちゃんは英語の詩を朗読しましたが、発音もイントネーションもなかなか素晴らしく、大きな拍手を浴びました。唐暁蘭ちゃんは学校の授業があるため、休みを取ってわざわざ披露会に参加したそうです。
この披露会の参加者は住民委員会にできた英語教室に通っている住民で、リタイアした年配者が中心となっています。みなさんに、「どうして英語を勉強するのか。英語は役立つか」と聞いたら、「海外から来た人と会話ができる。五輪のためだけでなく、とっさのときでもなんとか助かるだろう」と住民たちは口を揃えていました。
東四は、元と明の時代の建物がそのまま保存されたヘリテージタウンで、外国の観光客がよく訪れる北京の下町です。2001年に、北京五輪組織委員会のオフィスが東四にできたことから、東四は中国初の「五輪コミュニティ」と言われるようになりました。
下町の特色、五輪コミュニティの愛称、東四の住民たちは、英語を少しでも話せたほうがいいと考えるようになりました。そこで住民委員会は2003年に、英語教室を設け、住民に英語の授業を受けてもらうことにしました。住民委員会の活動センターを教室に使い、英語専攻の大学生ボランティアに先生になってもらい、授業料はとっていませんそしてこれまでに5年に英語教室に通った人は延べ2万人で、最年長は90歳、最年少は6歳だそうです。(文:姜平)
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