3月、春めいてきています。北京は、日本全国からの1000人の青少年代表を迎えました。3月15日、中国全国青年連合会による中日青少年友好交流年の開幕式が北京で行われました。
日本各地からやってきた1000人の青少年は7つの分団に分かれて、それぞれ上海、杭州、重慶、成都、大連、広州、北京などに1週間近くの訪問を行いました。全国青年連合会の通訳として、私は立命館大学の106人の教師と学生からなる第1分団とともに上海と北京を回りました。
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上海の外灘では、「はい。ポーズ」 |
南京路で、ダブルタッチを披露 |
上海では外灘、南京路と豫園を、また北京では八達嶺長城(万里の長城の一つ)を訪れたほか、大部分の時間は中国の大学生との交流や企業見学を行いました。
今回の訪問では、一番印象深かったのは、立命館大学と中国の大学との交流です。1週間で、立命館大学代表団は、上海交通大学、北京航空交通大学、北京大学を訪問し、交流を行いました。各大学との交流は、二つの部分に分けて行われます。
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上海交通大学と立命大学、 互いにプレゼントを贈呈 |
囲碁の交流 |
まず、専門フォーラムとサークル交流です。立命館大学のある学生は、環境、経済、中日交流という3つの分野をめぐって、中国の学生とフォーラムを行いました。両国の学生はさまざまな資料とリサーチに基づき、自らの主張、アイディア、問題点などを発表したり、討論したりしました。例えば、環境のフォーラムでは、日本の学生は日本のゴミ処理や排気ガス削減などの問題について詳しく紹介しました。一方、中国の学生は持続可能な発展や大気汚染などについて興味を持っています。共に関心を持っている問題に関しては、学生の間でも激しい論争が起きました。このようなフォーラムで、具体的な解決方法を見出すことは難しいですが、交流を通じて学生たちの視野が広がり、問題に対する認識も深まったと思います。立命館大学孔子学院の院長でもあり、環境保全の担当教員となった周イ生さんは「環境保全について、立命館大学の学生はさまざまな形を通じて、中国の大学生と交流し続けていく。学生間で交流の仕組みを作り上げて、両国の環境保全のために力を尽くしてほしい」と述べました。学生たちは、毎回のフォーラムでまた新しい発見があります。夜、ホテルに帰ったあとも、次のフォーラムに向けた準備のために、深夜まで反省会を行っていました。
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両校の文芸交流会が いよいよスタート |
立命館大学の和太鼓 はいかがでしょう |
立命館大学の学生によるアカペラ、本当にすばらしかった |
専門フォーラムと同時に、囲碁や書道などサークルの交流も活発に行われました。同じ東アジアの国ですから、文化面では共通部分が多いです。囲碁の碁石を通じて、また漢字を通じて両国の学生は心と心の交流を行いました。立命館大学の大江桂祐さんは「言葉があまり通じなかったが、あそこに立って一緒に字を書く時、相手の気持ちが分かり、心がつながった気がする」と感想を語りました。そして、15日の開幕式の前に人民大学で行われた書道の交流会では、胡錦涛国家主席が両国の学生と会見しました。これを受けて、立命館大学書道部の部長、上田紗弥香さんは「胡錦涛国家主席にお会いできて、そして2回も握手していただいて、本当に感動した。これを励みに、これからもっとがんばっていきたい」と興奮気味に語りました。
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上海交通大学の学生による弦楽演奏 |
両校の交流が円満に成功 |
続いて行われた両国大学生によるパフォーマンスは大いに盛り上がりました。ステージに立つ学生は自分の個性を発揮して、様々な特技を披露しました。立命館大学が和太鼓や琴の演奏、日本の長縄で縄跳びのテクニックを競うダブルダッチ、ストリートダンスなどを披露すると、中国の大学生が伝統舞踊、二胡の演奏、合唱などをステージで繰り広げました。立命館大学の学生の多くは、初めて生で中国の音楽を聞いたということで、その美しさに魅了されていました。中国の学生にとっても、日本の学生たちの元気よさや、パフォーマンスの素晴らしさに感動しているようでした。上海交通大学のある学生は「立命館大学の和太鼓の演奏を聞いて、感動した。聞いているうちに、心が響き、日本の民族文化をちょっと分かったような気がする。本当にすばらしかった」と言いました。また、ダブルタッチはまだ中国ではあまり見られないものですから、初めてそれを見た中国学生にとっては非常に興味深かったようです。「縄跳びはよくやるが、このようにするのははじめてみた。面白い。私も今後やってみたい。」こんな愉快な雰囲気で進んだ交流は、さらに学生たちの相互理解と友情を深めるものとなりました。
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ここは万里の長城だよ! |
長城の上でも、ダブルタッチ! |
それから、ストリートダンス! |
「美しい!」「スゲー!」……こんな声が上海の外灘や南京路、北京の長城で何度も聞こえてきました。国際化が進む上海は立命館大学の皆さんに中国の発展ぶりを実感させ、一方、北京は中国の悠久な歴史を感じさせました。立命館大学の皆さんは八達嶺長城で、記念写真を撮るだけでなく、それぞれのやり方で、足跡を残しました。長城の上でダブルタッチをしたり、ストリートダンスを踊ったりする学生もいました。その時は、たまたま訪れていた多くの中国人観光客が回りを囲み、熱烈な拍手を送りました。学生たちと観光客、いずれにとっても、いい思い出になったと思います。
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中国の「ケン子」に夢中 |
「この楽器が面白い!吹けるかなあ」 |
今回の訪問の締めくくりとして、15日、人民大学で行われた中日青少年友好交流年の開幕式に出席しました。会場には胡錦涛国家主席も訪れ、自らの経験を元に、両国の青少年交流の重要性を強調して「引き続き青少年の交流を強化していくことを希望する」と述べました。これを受け、立命館大学の学生は「励ましを受け、自分の責任を感じた」と述べました。この開幕式を皮切りに今後1年間、両国の青少年はさまざまな形での友好交流を行います。
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北京航空航天大学の学生と 書道の交流を |
立命館大学の学生によるチアリーディングとマーチングバンド |
立命館書道部による パフォーマンス |
「中国にやってくる飛行機の中では、1週間は少し長いなあと感じたけれど、今朝目が覚めると、もうちょっと中国にいたくなりました。」16日早朝、北京の首都国際空港へ向かうバスの中で立命館大学のある学生はそう言いました。この1週間、立命館大学の皆さんは自分の目で中国を見て、肌で中国を感じたことで、自分自身が感じる「中国像」を作り上げることができました。それが今回の活動の成果だと思います。これをきっかけにもっと多くの日本の青少年が中国に興味をもち、両国関係のために自分の力を尽くしてほしいと思います。 (文・写真:胡徳勝)
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中日青少年友好交流年の開幕式 |
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