開幕式1	開幕式2

　今月3日と4日、北京市内で「中日友好都市小学生卓球交流会」が行われました。中日両国の小学5年生と6年生、合わせて232人が参加しました、。この232人が、中国から2名、日本から2名の4人１組でチームをつくり、4つのブロックに分かれて優勝を目指すというものです。実は、このチーム分けがユニークです。というのも、中国と日本の友好都市同士がチームを組んで、勝負を競うというものだからです。

　この卓球交流会について、大会を企画した日中友好協会の村岡久平理事長にお話を伺いました。

　村岡久平理事長：「この卓球交流大会は、1992年、中日国交正常化20周年の時にスタートしました。当時は成人による親善試合をしました。その後、国交正常化25周年の1997年に高校生の卓球交流、30周年の2002年には中学生の交流。そして、今年は小学生の卓球交流です。時代を追って行っているんです。青少年の交流は、次の時代を作っていくことにつながりますから」

　小学生の試合と言っても、各省・各県の強豪選手たちが揃ったこの大会は、手に汗握る闘いとなりました。私は大会2日目の試合なかでも、今回の優勝候補でもある江蘇省と福岡県の合同チームを密着取材して来ました。

江蘇省・福岡県合同チーム	準決勝の相手

　江蘇省・福岡県合同チームのメンバーですが、江蘇省からは、王鵬くん（６年生）と範璇さん（５年生）。そして、福岡県からは、田添健汰くん（６年生）と徳永美子さん（５年生）。それぞれ、地元のジュニアチームで活躍する選手たちです。

　まずは、選手たちに意気込みを聞きました。

　徳永美子さん：「中国に来るのは3回目です。実は、あまり緊張していません。優勝を目指しています。お母さんに頑張れ！と励まされました。ここで友達をいっぱい作りたいです」

　王鵬くん：「7年間卓球をしてきました。これまでに1度だけ、同じ年齢の外国人選手と卓球をしたことがあります。今回の目標は優勝です。言葉の壁はありますが、積極的に声をかけあって、4人で勝ち抜いていきたいです」

準決勝のミックスダブルス	コーチのアドバイスを受ける選手

　いよいよ準決勝のスタートです。対戦相手は、河南省・三重県合同チーム。こちらも実力派のチームでした。試合は、男女混合団体戦、5セットマッチで行われました。

　結果としては、今回、江蘇省・福岡県合同チームは、決勝進出は逃してしまいましたが、しかしそれ以上に、大きな収穫があったようです。試合後、選手たちに話を聞きました。

　田添健汰くん：「今日の試合について、全体的にレシーブが悪かった。中国の選手のサーブ力を学んだ。これから、日本で、中国で学んだことを練習していきたい」

　範璇さん：「試合には負けたのは、技術面や精神面でまだまだだからでしょう。次は勝てるように、また頑張ります。今回は日本人の選手と一緒に戦いましたが、彼らは力がありますね。この2日間で彼らといろいろ交流しましたが、ぜひいつか日本に行って試合をしたいと思いました。日本語も勉強してみようかな」

試合を見守るチーム関係	日中友好協会の村岡理事長（左）と記者

　言葉が通じないことによる苦労もありましたが、選手たちは一生懸命身振り手振りでお互いの意思を伝え、最後は兄弟のように仲良くなっていたのが、非常に印象的でした。両国のあいだではスポーツを通した交流が盛んに進められていますが、そのすばらしさを改めて感じさせられました。

　最後に、監督の任冬さんが、次のようにまとめてくださいました。

　任冬さん：「小学生の卓球交流ですが、技術だけでなく、中国の文化などを理解してもらうことがこの試合の目的だ思います。中国は、技術面で言うまでもなく優れています。収穫も豊富でした。これから、日本に戻って、反省したいと思います」

　ちなみに大会の結果ですが、各ブロックの優勝チームは、北京市・東京都チーム、西安市・奈良市チーム、煙台市・別府市チーム、哈密市・富山県入善町の4チームに決まったということです。

　卓球を通した中日交流というと、中日国交正常化につながるピンポン外交を思い出しますが、いまやこうした若い世代、子供たちの間でも盛んに行われています。こうした大会を通して、出会いが生まれ、両国の相互理解にちながっていくよう、心から願います。（文・写真：任春生）