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玉淵潭のさくら、今年も北京の春を彩る
   2007-04-16 15:01:40    cri

   

 日曜日の夕方。中華世紀壇で開かれていた『ポンペイ火山遺跡展』を見終わった後、その足で近くの玉淵潭公園にもぐりこみました。毎年、桜の季節になると、どうしても気になるところです。染井吉野のシーズンは既に過ぎていることを知りつつも、やはり足がむいてしまうのです。

   

   

 南門から入園。先ず目にしたのは屋台の賑わいでした。派手な舞台衣装にダイナミックなテクノ音楽、リズムに合わせて体を震わせながら、串焼きを売るビジュアル系屋台まであって、思わず微笑んでしまいました。昼間よりは、園内の客足はずいぶん引いていたと思いますが、それでも、満開の八重桜の下では、相変わらず歓声を上げながら、シャッターを押す花見客で賑わっていました。

   

   

 始まりは中日国交正常化翌年の1973年。当時の田中角栄首相が日中友好を祝して、大山桜の苗木1000本を中国に寄贈。その内の180本が玉淵潭に植えられ、後の「桜花園」のスタートとなりました。ところで、土壌がアルカリ性で、風も強く、雨量も少ない北京で、さくらの木を育て、開花させるのは、並大抵のことではなかったようです。土を換えたり、冬には防寒対策に腐心し、日々の丁寧な手入れ。園芸職人はわが子のように桜の木の世話をし続けたことが美談として伝えられています。

   

   

 1989年に初めてのさくら祭りが行われ、日本の友好団体からの寄贈を始め、中国各地からも数多くの種類が移植され、現在の桜花園は20数種類、2000本に達しています。さくら祭りが毎年行われて19年目。春になると、美しい花を一目見ようと、市民が三々五々集まって来ます。今や玉淵潭の花見は北京の春には欠かせない行事の一つになっています。

   

 美しい花を見て感動する。これは国籍を問わない、人の情と言えましょう。さくらの苗木が大きくなり、北京で美しい花を咲かせるまで心を寄せ合った両国の人々のストーリーには感動深いものがあります。来年、再来年と、玉淵潭の春は益々鮮やかになっていくに違いありません。(写真、文:王小燕)

  

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