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企業所得税法、全人代で注目を集めている
   2007-03-12 12:19:33    cri

 第10期全国人民代表大会第5回会議が今、北京で開かれています。特に、今年の全人代では、「物権法」と「企業所得税法」という二つの重要な法案を審議し、可決する見込みです。今日は「企業所得税法」にスポットを当てて、お伝えしたいと思います。

 実は今、中国では、中国企業に対する「企業所得税暫定条例」と、外資系企業に対する「外国投資企業及び外国企業所得税法」を別々に実施しています。一方で、会計分野では、国際会計基準を取り入れた企業会計制度が内外の企業、両方に適用されています。

 二つの税法に一つの会計基準と、かなり複雑になっています。そればかりではなく、今の所得税の優遇政策には対象が多く、複雑に入り交じった部分もあります。そのため、優遇政策の役割を十分に果たす事が出来ていません。しかも、これらの優遇政策には大きな欠点があります。企業の間違った経済行為によって国の税金の流出を招いたケースもありますし、一部の地方政府は権限を越えて、かってに優遇措置を制定することもあります。ですから、内外企業に対する所得税を統合した新たな「企業所得税法」を制定する必要があるという訳です。

 いま、全人代で審議されている「企業所得税法」は優遇政策の全体的な方向や、範囲、原則を定め、そして、具体的な優遇方法や、優遇対象、どの程度優遇するかに関しては国務院が規定すると定めています。また、この法律によりますと、今後、優遇措置は省エネ、環境保護、ハイテク産業などについて重点的な実施します。

 つまり、今後発展させたい業種に重点的に優遇措置を適用し、産業構造のレベルアップを図るということです。税収のあり方を変えることによって、産業構造の改善を推し進めます。つまり、企業所得税の優遇政策の重点が、これまでの地域中心という考え方から産業中心という考え方へとシフトすることになります。しかし西部地区で優遇措置が必要な産業に対しては、引き続き優遇措置を行うことを明らかにしています。これは西部地区の発展に拍車をかけ、東部・中部と西部地域との発展の差を縮めるためです。

   


 ところで、皆一番関心を持っているのは、一本化した後の企業所得税の税率がどのぐらいになるかという点だと思いますが。現行の中国企業に対する所得税の税率は33%で、そして、外資系企業は15%ですが、「企業所得税法」による新しい税率は内外企業とも、一律25%です。

 中国企業にとっては大きな朗報です。これについて、北京で両会議に参加している全人代の代表で、中国の民間企業経営者、広東省長江グループ有限公司の蘇耀栄社長は次のように話しています。

 「これは民間企業にとっては、心を奮いだたせることですよ。中国の改革開放はすでに長い間実施されて来ましたから、新しい「企業所得税法」は現在の国情にふさわしいものです。きっと我が国の自主革新や民間経済の発展にプラスとなり、われわれ民間企業を励ましてくれるでしょう」

 民間企業はこの法律に大賛成といった感じですね。一方、外資系企業の反応はどうでしょうか。これから中国での投資に心配を持ったりはしていませんか。実はほとんどの外資系企業は「企業所得税法」を前向きに評価しています。実はこの点については、王小燕記者がこのほど、中国で長年投資を続けている日本の大手電子企業オムロン中国支社の山下利夫総経理に伺いました。

 「これはWTO加盟に応じた行為です。われわれの中国投資に影響はない。中国市場に自信を持っていますから。グローバル化した経済では、公平競争は市場経済の鉄則ですから。」

 ところで、一部の地方政府は外資導入を進めたいために、権限を越えて、かってに優遇措置を制定するケースがありますね。「企業所得税法」に対して、地方政府の態度はどうでしょうか。今度の「企業所得税法」では、地方政府の外資導入における権限をはっきりと定めまています。では、地方政府の反応について、全人代の代表、中国西部の四川省成都市の李春城書記にインタビューしました。ちなみに、成都市は2006年、中国の中部と西部地区でも、外資導入が一番多い都市です。

 「公平、公正、公開という環境の下で、活気に溢れる中国市場は外資系企業にとって、魅力的な投資先です。『企業所得税法』は地方政府の外資導入行為を規範化し、経済社会の順調な発展を推し進めることでしょう」

 中国がWTOに加入した以上、内外企業に対する所得税の税率を統一することは遅かれ早かれ時間の問題だと思っていました。公平な競争を促す法律や政策は経済発展を推し進めることになるでしょう。いま全人代で審議されているこの『企業所得税法』は可決される見通しのようです。15日午前の全人代全体会議で、『企業所得税法』と『物権法』の法案に対する採決が行われます。結果はそのときいち早く皆さんにお伝えします。ぜひお楽しみください。(文/取材/撮影:劉叡琳)

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