青島は山東半島の南岸に位置する。中国の海岸線にある山で最も高い?山（1132.7メートル）と、白い砂浜、赤い岩礁、青く美しい海のある山を背に海に向かって開かれた都市だ。山、海、そして中世ヨーロッパ風の建物がこの都市をよりいっそう魅力的にしている。

　1897年、ドイツが青島を占領する。1914年に第一次世界大戦が勃発し、日本が青島を占領、ドイツに替わって軍事殖民統治を推し進める。1919年、中国近代史上でよく知られる五・四運動は、「青島返還要求」をきっかけに始まった。その後、日本は1938年に再び青島を侵略、1945年９月まで占領を続けた。

　青島市の西部は「赤レンガと緑の街路樹、青い海と空」の昔ながらの景観保護区で、東部は現代的な高層ビルが立ち並ぶ都心部になっている。海上から青島を眺めると、詩的な海浜風景が連なっている。この海浜は陸路によって、４つのそれぞれ個性の違う観光区に分けられる。

　美しい自然景観と数々の文化遺産が、青島が経てきた１００年風雨と東西文化の融合の証である。小青島、小魚山、魯迅公園、水族館、解散博物館、海軍博物館、湛山寺、天主（カソリック）教会、キリスト教会、提督楼…、様々な風格を持つ建築物がある八大関別荘区。潮風、潮騒、海のロマンに溢れた良質の砂浜、海水浴場。青島を訪れる観光客の必ずこれらの観光スポットを訪れる。

　青島の話しをするなら、青島市民のことに触れなければならない。青島は地図の上では中国北方に属するが、暖かで潤った潮風が青島の人々の南方人のような明るく朗らかな気質を育てた。青年は山東男児の勇敢で爽やかな気質を持つ。体は壮健で頭もよく、周囲を明るく楽しくさせる。青島は美人が多いことでも知られている。ここの女の子はみな陽光のような明るい表情をし、さっぱりとした性格をしている。おしゃれと食べることが大好きで、人に合わせることができる一方プライドも高い。北京の人民大会堂の案内係の中でも青島出身者は参観者の受けがよい。

青い海、白い砂、緑の木々。青島の美しい環境は他の地方の人々にとって憧れある

　多くの青島人はビール党で、特に地元の青島ビールを愛飲している。彼らはどこに行っても青島ビールを注文し、他の銘柄しか置いてない店に行ったときは、しぶしぶ他のビールを飲みながら、「青島ビールと味が違う。青島ビールほど美味しくない」と、文句を言う。

　ビールの飲み方にルールはない。壜に直接口をつけて飲んでもよいし、ストローで飲んでもよい。グラスに注いでも、茶碗に注いだって構わない。しかし、ビニール袋に入れて飲むのは青島だけの飲み方だろう。これは「青島八つの謎」にも数えられており、夏には町のあちらこちらで見かける。仕事を終えて家路を急ぐ青島人は、ビア樽を見ると喉が鳴り出し、たまらず量り売りでビールを買う。このとき登場するのが、ビニール袋なのだ。家に着くまで待てない人は、早速このビニール袋の底に指で穴を開け、鼻先に袋を持ち上げて吸うようにしてビールを飲む。青島人の豪放な性格の表れだ。

　８月は青島ビールが最も美味しいシーズンである。この季節になると人々はビアガーデンに集まり大いに飲み、大いに食べる。青島人であろうとなかろうと、外国人であっても、すっかり打ち解けてジョッキを交え、オープンな雰囲気を楽しむ。これは、年に一度のビール祭りの風景だ。青島国際ビール祭りは1991年に始まり、すでに10回を数えた。この祭りのために青島を訪れる観光客も少なくない。

　2008年のオリンピックを迎えるため、青島はすでに市の環境を整え、青島の山と海を生かし、人と自然が調和したアジア随一の海上スポーツの国際基地を建設中である。今後、青島には「ヨットの都」という名称も加わることだろう。2008年の７月から12月の間に青島では、オリンピックとパラリンピックのヨット競技が行われることになっている。

文／杜　宣　写真／姚　剛

http://www.rmhb.com.cn/chpic/htdocs/rmhb/japan/200502/mulu.htm