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日中理解には交流を大事に
   2005-08-31 21:33:48    cri

 60年の歳月が経ちました。60年前の戦火は人々を深く傷つけ、社会に大きな被害をもたらしました。歴史を振り返ってみると、心はひどく痛み、同時に、この世の平和をこれまで以上に願うものです。中日両国民の平和を求める願いは、この60年来、途絶えたことはありません。

 今回は中日両国の友好に尽力している民間団体の方々の両国関係や民間交流についてのお話をご紹介します。

 今お聞きいただいているのは「紫金草合唱団」という日本の民間団体の皆さんが歌っている「平和の花、紫金草」という曲です。「紫金草」は紫色のアブラナ科の野花です。戦時中、南京で戦争の悲惨さを目の当たりにした旧日本軍兵士が、紫金山の麓に咲くこの花の種をこっそり持ち帰り、戦死者への鎮魂と贖罪、平和を祈願して種をまき続けたことで、日本にも根付きました。紫金草合唱団は、その物語に因んで名づけられた団体で、歴史への反省・戦争への憎悪・平和への愛を歌うため、南京や北京などで公演や交流活動を行っています。

 紫金草合唱団は、中国で、ある中国の民間団体に出会いました。

 ーー「ポプラ」というのは30人前後の小さなグループで、コンサートなどを含めいろんなボランティア活動に参加しています。団員の皆さんのご両親はほとんど抗日戦争に身を投じた人で、一部の団員は戦時中の延安に生 まれたのです。団長の楊立さんは今年64歳ですが、日本侵略軍がもたらした被害について幼いときの印象を話してくれました。

 「私が通った小学校の校庭は日本軍の細菌実験場だったそうです。実験対象となった同胞の惨めな体験の話は今でも忘れられず、幼い時から、日本軍への憎しみは深かったのです。しかし、紫金草合唱団の方々に出会ってから、日本人に対するイメージがだんだん変わってきました。彼たちは戦争に反対し、平和を愛する人々で、その歌声に心を打たれました。彼らと共演した体験は一生忘れられないものです。日本に、平和を愛する方々が今でも大勢いらっしゃることを知り、とてもうれしく思います。」

 音楽には国境がありません。音楽を通して、紫金草合唱団と「ポプラ」グループの皆さんとは心がつながるようになりました。では、「ポプラ」の皆さんは過去の戦争と今の中日関係をどのように見ているのでしょうか。楊立団長にお話を聞きましょう。

 ーー「両国関係を発展させるには、まず歴史を忘れてはいけません。今、日本の一部の者は歴史教科書の内容を変えたりして、歴史を歪曲し、真実を尊重していませんが、それはこの世の平和を損なう行為です。過去の侵略戦争の真相と戦争による被害をはっきりさせてこそ、将来の戦争を防げるのではないでしょうか?」というポプラグループの楊立さんのお話でした。

 日中交流クラブは1993年に結成された日本の友好交流団体です。毎年、メンバーの皆さんは必ず中国を訪ね、全国各地にその足跡を残しています。また、中国人に日本を紹介するなどの催しも熱心に行っているのです。

 ちょうどこの番組の取材について連絡しているとき、日中交流クラブのメンバーがまた中国にやって来ました。理事長の杉本静夫さんは高校の先生で、中国の歴史に深く興味を持っている方です。両国の相互理解について、杉本さんは、「その国へ足を運んで、実際の様子を見極めると、お互いの理解が深まっていくと思います」とおっしゃいました。

 中日両国の民間交流では、ある団体がよく登場します。それは「留日同窓会」です。日本で留学したことのある元留学生が作った団体で、この会の皆さんはそれぞれの分野で活躍していると共に、両国の友好往来にも尽力しているのです。副会長の于隷群さんは次のように語りました。

 「長い間、日本の方々と幅広い交流活動を行ってきました。両国の友好関係の強化に努めることは日本で留学していた私達のやるべき仕事です。私は日本侵略軍に踏みにじられた中国東北の生まれです。でも、今の私は中日両国の友好関係の発展に身を投じています。なにしろ、この友好関係は両国にとってもプラスになるので、私たち留日同窓会は両国人民の交流と相互理解に力を尽くしていきたいと思っています」

 「歴史を鑑にし、未来に目を向ける」(以史為鑑、面向未来)。中日間の友好関係を順調に発展させるには、歴史を正しく認識し、お互いの交流と理解を深めることが不可欠です。これが、今回の取材を通じて記者が知った各団体の皆さんの共通の考えです。

通信
v ポプラが語る日中の物語(60周年特別番組 その二) 2005-08-24 09:40:45
v 南京市民の語る中日関係の過去と未来 2005-08-23 09:03:41
v 忘れ難き傷跡 2005-08-17 15:25:17
v 中国人民抗日戦争記念館から思うこと 2005-08-10 19:24:12
v 60周年紹介 2005-08-03 15:48:07
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