西洋人にとって、中国語がどれほど難しいものか、たぶん中国人には想像しにくいと時には思う。中国語は西洋の国々のどんな言語ともまったく違う。中国語を学ぶのはスペイン語、フランス語、ドイツ語などヨーロッパの言語を学ぶのとは全然比べものにならない。ヨーロッパの言語には関連性があるが、中国語はそうではない。
この前、主人と初めて住んだマンションの電話が壊れた。係員に修理に来てもらい、「この電話は『不香bù xiāng』」と指しながら伝えた。私の言いたかったのは「响xiǎng」だが、声調が間違っていて、係員は意味がわからなかった。だから、「電話がかかってきても、音がしないの。」と、また説明してみた。この「响」の発音の声調がどれだかわからず、何度も繰り返していろいろな四声で説明したが、あいかわらずわからなかった。後で誰かの携帯が鳴ったとき、彼女は急に「あ!あなたの言ってるのは『响』のことですね」と言った。このような状況下では、多くの西洋人は「さっきも私が言ったでしょ、私の言った言葉が正しいのに」と、思うだろう。だが、実際は間違っていたのだ。使った言葉は正しいが、四声に問題がある。わたしにとって、中国語の中で、この問題ほど克服しにくいものはない。私たちの言語には四声がないのだから。
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