北京パラリンピックは先週土曜日、9月6日の午後8時、開会式が行われて正式に幕を開けました。合わせて20の競技、472のクラスでメダル争いが繰り広げられていますが、その中に、目の見えない人たちによるサッカーがあります。
視覚障害者サッカー。その名のとおり、視覚的に障害のある人が行うサッカーをいいます。一つのチームは5人で構成され、4人の視覚障害者がフィールドプレーヤー、1人の弱視または目の見える人がゴールキーパーを務めます。フィールドプレーヤーは目にマスクをかけることが義務付けられています。
視覚障害者サッカーは、2004年のアテネパラリンピックから正式競技となりました。中国では、大体3年前からこのスポーツが行われるようになり、そして国家代表チームは、1年前に結成されました。チームのメンバーは、マッサージ師、ホテルの従業員、大学生などさまざまです。試合があるときに集まるそうです。
このサッカーが中国に伝わってきたのは最近のことですから、中国国家代表の選手でも、最初、視覚障害者サッカーとはどういうものか分からなかったそうです。これについてゴールキーパーの夏征さんは、こう話します。
「このスポーツが知らない人は不思議に思うかもしれません。私自身も、最初は、試合のペースが遅く、混乱したスポーツだろうと思っていたのですが、実際に見ると、ちゃんと組織されて立派なパスもあるし、シュートも綺麗なことにびっくりして、健常者がやるサッカーに少しも負けないスポーツだなあと感心しました」
視覚障害者サッカーで使うボールは、通常のサッカーと違って、ボールの中に金属製、或いは鉛で作った鈴が入っていて、転がるとカラカラと音がするんです。選手は、その音を頼りにボールを追い、蹴るのです。音でボールの位置を判断しながら試合をするというのは、考えるだけでもなかなか難しいことです。でも、中国国家代表の選手たちは、立派なドリブルを活かして相手を交わしたり、見事なパス回しでチームメートと連携してゴールすることができます。
国家代表チームのゴールキーパーの夏征さんは、このチームを誇りに思っていると語ります。
「このチームの皆は、本当にサッカーを楽しんでいます。目が見えませんが、これで全てを失ったではありません。皆でスポーツをやって、お互いに存在感を確かめるとともに大きな喜びも味わっていると思います」
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