今回は、北京オリンピックの自転車トラック競技が行われるスタジアム、老山自転車館をご紹介したいと思います。
老山自転車館は、北京の西にあり、CRI・中国国際放送局に一番近いスタジアムですよ。天安門広場から、車で通うなら、ずっと西へ一直線に行って、革命墓地のある八宝山を通り過ぎて暫らく行くと右手の方にあります。地下鉄ならば、先ほど説明したソフトボール場に行く時に五カ松駅で降りると言いましたが、この駅を通り過ぎて3つ目の駅八角遊園地駅で降りるとすぐです。
北京オリンピックでは、この老山自転車館で自転車のトラック競技が行われ、12個の金メダルが決まります。スタジアムの敷地面積は6.6ヘクタールで、トラックは一周200メートル、客席数は6000を超えています。このスタジアムで一番見ていただきたいところは、ドーム型の天井です。天井は会場全体を大きく包み、まるでUFOが降りてくるような感じがします。実は、このスタジアムは自転車選手のヘルメットの形をモチーフにしたもので、そのシャープでスピーディーなイメージを十分に表しています。
老山自転車館では、特に光の採り入れ方に、大量のハイテクと新材料が使用されています。自然の光を活かすことで、環境保護と省エネに貢献しています。たとえば、会場の巨大なドーム型のガラス製の天井の下には、光線を調節できるサンシェードと呼ばれる設備が設置されています。よく晴れた日には、サンシェードの羽根の角度を調節することによって、均一化した光を採り入れます。曇りや雨の日には、羽根を完全に開けて、照明を強くします。また、夜には反射塗料が施された面を室内に向け、照明器具の光を一旦そこに反射させた光を使うので、まぶしい光が直接選手に当たることがないように工夫されています。
自転車競技のトラックは平らではなく、すべて傾斜しています。トラックと観客席は壁一枚の間隔しかないので、試合中に、選手たちが時速60キロ以上のスピードで走るとき、その迫力にきっと圧倒されることでしょう。
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